一向に進まない被災地の復旧
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アマトリーチェ中心部のがれきの山は、いまだに残されたままだ。 (ドイツZDF)
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今も続く地震のため、夜はキャンピングカーで寝泊まりする人が後を絶たない。 |
昨年の8月24日に、299人の犠牲者を出したイタリア中部地震の発生から既に1年が経過した。 しかし、震災の中心地となった歴史的な都市・アマトリーチェ中心部のがれきの除去は1割程度しか進んでおらず、立ち入りが禁止されたままの状況が続いているようである。
また被災者たちの仮設住宅の建設も20%。
今はどこの国も財政状況は厳しい状況下にある。 そうした中で巨大地震や大洪水などが発生するとその復旧には膨大な予算がかかるため、政府は仮設住宅の建設を含めて復旧作業は遅れがちになってしまう。 我が国のように国の借金の急増などに目をくれない政府ならいざ知らず、ギリシャやイタリアなど厳しい財政状況にある国にとって自然災害の発生は国民の不満を生む。
これから先、自然災害は益々その頻度と規模を増してくることが予想されるが、我が国とて、国や地方自治体に頼ること自体が出来なくなるケースが出て来る可能性が大きいので、それなりの覚悟をしておきたいものである。 時と場合によっては、住み慣れた故郷を捨てる覚悟が必要になってくるかもしれない。
またもや、イタリア南部イスキア島で地震
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昨年8月の大地震以来1年余で4回の地震が発生。
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イタリアでは昨年の8月以降も地震が相次いでおり、10月後半にM6・5と今年に入って1月中旬にM5・0の地震が発生していることは「イタリアでまたまた地震」でお伝えした通りだが、しばらく鎮静化していたものの、今月21日にはまた南部のナポリ沖の
リゾート地・イスキア島でM4・0の地震が発生しており、2人の死者を含めて50人近い死傷者が出ている。
死亡した女性の一人は教会から落下した破片があたった高齢の女性。もう一人の女性は崩れた建物の下敷きになって死亡しているのが発見された。 一方で、捜索救助チームはがれきの中から、生後7カ月の男の赤ちゃんを無事救出。赤ちゃんの8歳の兄は翌朝、11歳の兄は地震発生から16時間後に救出された。子供たちの両親は無事だった。
妊娠中の女性も、がれきの中から救い出されたという。
日本の半分ほどの国土で1年余に4回の地震は異常だ。
なおこの1年間でM3以上の地震の回数は1000回以上に達している。 このため、新たな地震の発生で、住民は立ち直ろうとするたびに、自然の猛威に打ちのめされ、新たな恐怖に直面している。
イタリアで心配なのは地震だけではない、我が国と同じ火山国であるため火山噴火からも目が離せない。 それについては今年初めに、「イタリアの哲学者が残した週末予言」に記したように、ナポリの西方にあるカンビ・フレグレイ火山で、噴火の兆候ではないかと思われる現象が現れ始めている。
この火山は通常の火山と違ってカルデラであるため、米国の巨大カルデラ 「イエローストーン」や日本の「阿蘇カルデラ」、桜島を内包する「姶良
(あいら)カルデラ」となどと同様、いざ噴火したときには、一国を壊滅状態に導くだけでなく、地球全体の気象状況にも多大な影響を及ぼす可能性は大である。
これらのカルデラが動き始めるのは、富士山の噴火の後になると思われるが、十分に関心は持って見ておく必要はありそうだ。
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11歳のチロ君が無事救出された。 (BBCニュースジャパン)
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ホテルや教会、病院、民家が次々と破損。 M4・3にしては被害が大きかったようだ。
(ニューズウイーク日本版)
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崩壊した住宅の外壁 (BBCニュースジャパン)
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《 追記 》
米国テキサス州をハリケーン襲来
米国は昨日からメキシコ湾に面した南部のテキサス州一帯が、ハリケーン・ハービーに襲われ甚大な被害に見舞われており、米国だけでなく、イギリスやフランのテレビもトップニュースでその被害の様子を伝えている。 ハリケーンは熱帯低気圧に変わったものの、雨のピークはこれからで、被害はさらに広がりそうである。
首都ヒューストンではすでに雨量は650〜750ミリに達しており、堤防の決壊箇所も数十ヶ所を超え市内の幹線道路は寸断されて、郊外の住宅は軒並み浸水、水没。 テキサス州全体に目を広げると、一部の地域は降水量が1270ミリに達しようとしており、気象当局はこのような雨の量は前例がないだけに、どれほどのインパクトがあるのか未知数だと、その凄さのほどを伝えている。
ヒューストン以外の被害の状況はまだ伝えらておらず、首都の被害状況もさらに拡大することになりそうなので、詳細は、あらためて明日お伝えすることにするが、とりあえず首都の中心部とその近郊の壊滅的な被災状況を写真で見て頂くことにする。
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