ジワリ、ジワリと迫り来る異常気象
 

 


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記録的な日照不足がもたらすもの

 
 

 
 


曇り空と雨の日が続く毎日。 甲斐駒ケ岳も連日雲に隠され、その頂が見えるのは一時である。

 
 

今日もまた曇り空。 前にも記したように、気象庁が梅雨明け宣言をした翌日の7月20日前後から連日の曇り空と雨。 すでに1ヶ月が経過したというのに、晴天と言えるのは4日と9日のわずか2日、あとは陽が射すことがあってもわずか数時間で、青空の見えるのは一部の空だけ。 

因みに私の書斎から富士山の姿の全容が見えたのが2日だけ、頂上部の一部だけが1〜2時間の短時間、垣間見えたのが2、3日あっただろうか。   こんなおかしな天気がこれほど長く続いたのは私の記憶する限りでは、極めて珍しいことだ。 展望出来ないのは富士山だけではない、八ヶ岳や甲斐駒ケ岳も同様。   身近な山の姿がこれだけ見えないのだから、異常としか言いようがない。

そこで、甲府気象台の気象データーから、私の住む北杜市の7月22日から8月20日までの1ヶ月間(30日)の日照時間を調べてみると103.3時間。 一方、過去30年間の平均値は187.0時間。 両者を比較してみると 今年の日照時価は平年の55.24%。  平年の半分に近い数値である。

さらに直近の10日間(8月11日〜20日)の日照時間に絞ってみてみると、今年はわずか24.7時間で、30年間の平均値61.3時間の40.3%と さらに低くなっている。 1日当たりの日照時間数では2.5時間ということになるので、驚くほど短い日照時間であることが分かる。  日本一の日照時間を誇る北杜市もこれでは形無しだ。

こうした日照不足は何も北杜市一帯に限ったことではない。 日本列島全体に目を転じると、 北陸から東北、さらには関東一帯も同様な状況が続いており、東京では21日間の連日雨で、40年ぶりに記録を更新し続けているようである。 それどころか、昨日のニュースは、記録的な日照不足に陥っている仙台市の 驚くべき数値を伝えていた。

なんと仙台市の8月に入って20日間の日照時間は13・3時間、1日当たりでは、わずか40分。 平均値に比べ半減している北杜市の4分の1というのだから驚きだ。 これでは農作物に大きな影響が出ないはずがない。  案の定、調べてみると東北地方ではすでに出荷量が減少し、食卓に影響が出始めてい た。 こうしたニュースをマスコミは伝えないのだから困ったものだ。

 

ネギは2倍、野菜卸値じわり上昇 

 
 

 
 


今年日本は、天気と気温が2分されてしまったようだ。 
関東、北陸、東北、それに北海道は曇り空と低温が続いている
一方で、関西から九州、沖縄では晴天で猛暑が続いている。  
 

 
 

宮城県に隣接する青森県でも状況は一緒で、8月に入って以降、日照不足が続いている青森県内では低温状態と相まって、野菜の出荷量が減少し、卸売価格がじわりと上昇して 来ているようである。 盆明け以降、八戸市中央卸売市場では、平年に比べてネギが2倍近く、トマトやキュウリは20〜40%高くなっており、これから先、高値が長引けば、家庭の食卓にも影響が広がりそうである。

また8月の日照不足と低温によるコメの生育への影響を懸念する声も出始めている。 出穂期以降の不安定な天候が今夏の特徴で、過去に冷害があった年と状況は異なっている。 1993年や2003年の凶作は、7月の出穂期の低温が要因であったが、今年は出穂 の後の低温と極端な日照不足による不作が不安視されているのだ。 

つまり、出穂してもその中身がスカスカで米粒が実らなくなってしまう可能性があるのだ。  8月に入ってからの低温と日照不足はあまり前例がないため、農業関係者も戸惑っており、「収穫できないということはないだろうが、何らかの影響は出るだろう」と、危機感を募らせているようである。 問題はこれから9月中旬にかけての気温と日照時間である。  




 

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