表面化した各国首脳の対立
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いつになく対立状態の中で開かれるG20会議
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日本時間の今夜からドイツのハンブルグで開かれるG20(主要20カ国首脳会議)は、これまでにない対立感の中で開催されようとしている。 ロシアと欧米諸国との対立の中での開催はこれまでにもあったが、今回は対立の内容が各国入り乱れて複雑である。
米国大統領選挙を巡ってのロシアと米国との対立が今も続く中、北朝鮮への対応を巡って中国との対立も深まる米国。
また保護貿易問題や温暖化対策のパリ協定離脱などで開催国ドイツやフランスと米国との関係も決して良好とはいえない状況にある。
さらには、トルコと欧州各国との関係も行き詰まったままで、特にドイツとの関係は近年になく悪化している。 今回のドイツでの開催に合わせてトルコのエルドアン大統領は、ドイツ在住のトルコ人の集会で演説をしようとしたところ、ドイツ政府から拒否されたため、一段との溝は深まっている。
そんな雰囲気の中で各国の首脳陣はハンブルグ入りしているが、その前にポーランドを訪れたトランプ大統領は、ナチスに抵抗したワルシャワで大歓迎を受ける中、多くの市民を前にしてヨーロッパ各国に向けて、次のような不吉ともいえる激しい発言をしている。
「西側諸国は生き残る意志があるのか、市民を守るために国境を守る意志があるのか、文明を崩壊させようとしている者たちに立ち向かう意志と勇気があるのかどうか」
この発言は、テロが相次いでいる西側諸国に対し、イスラム過激派との対決姿勢を問うものであるが、 ヨーロッパ各国の首脳に対して、トランプ大統領自身が行っているイスラム諸国6カ国からの入国拒否や、メキシコとの国境に壁を築くことを前提に、あなた達も同じ行動をとる必要があるのではないかとする発言であった。
心配なのは、現在、難民や移民の受け入れに対して2分されているEU(欧州連合)各国首脳+に向かっての発言だけに、EUの分裂に火を注ぐことにならないか心配である。
高い地位の猟師と
低い地位の猟師との狩り合い合戦
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G20会議が開かれるドイツのハンブルグの街は、
反グローバリズムのデモで覆われた (アメリカABCニュース)
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こうした波乱含みの中で行われるG20は、「貧者」と「富める者」との対立を浮き彫りにするところとなっている。
G20開催を前にした6日夜、開催地ハンブルグの街はグローバリズムに反対する人々による多くのデモ参加者で覆い尽くされる事態となった。 G20は弱者を犠牲にする資本主義を象徴する会議だとして、G20開催に抗議するため集まった人々と、警察とが激しく衝突し多くの逮捕者が出るところとなった。
G20やG7などの国際会議を前にして行われた、これだけ激しい抗議デモは前例がないだけに、欧米のマスコミはトップニュースで取り上げている。 グローバリズムに反対する人々によるこうしたデモは、まさに貧者と富める者の対立を象徴するもので、私がかねてから言ってきた、この世の終末に起きるという「弱者対強者」の争いの先駆けとなりそうである。
日本に住んでいては、なにゆえG20会議を阻害する大規模デモが発生するのか、その理由が分からない人々が多いだろうが、 今世界の多くの場所でこうした「弱者対強者」の争いが次々と発生しているのである。 私のHPを読んでおられる読者は既にご承知の通り、中国などでは報道はされてはいないものの、月に何件も何十件も発生しているのだ。
ホピの預言は、大規模な戦争の端緒となるのは、病的世界にいらだった民衆の蜂起と、しいたげられたマイノリティー、すなわち持たざる者、貧困にあえぐ弱者の報復であると述べている。 民衆はいつまで待っても変わらぬ政治に対する閉塞感を打破するために、これまでの枠組みを壊そうとして、指導者たちに立ち向かい、戦いを始めるようになるのだ。
つまり、高い地位の漁師と低い地位の猟師との間の、狩り合い合戦の始まりである。 今回のG20を前にして行われたハンブルクでの大規模抗議デモは、ホピの預言が示すマイノリティーの報復の始まりを世界に示すものとして、いつか、そう遠くない未来に思い出すことなるのではなかろうか。 私にはそう思えてならない。
歴史を変える出来事の端緒となるのは、こうしたちょっとした出来事であることは歴史が示している。 そんなことがふと思い浮かんだ今朝の海外ニュースであった。
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大規模デモは警察との衝突となった (アメリカABCニュース)
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ハンブルグでも反トランプの感情は高まっているようだ。
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