前回の記事から1週間ほどお盆の休暇を取っている間、欧米では物騒な事件が発生。 先ずは米国。 バージニア州シャーロッツビルで8月11日夜から続いた白人至上主義者(「KKK(クー・
クラックス・クラン)」やネオナチといった過激派)による大規模なデモと、それに反対する人々の間に衝突が発生。
一人の白人至上主義者の車が反対派の人々の中に猛スピードで突っ込み、女性一人が死亡し19人が負傷。 州知事の非常事態宣言が発動される事態に発展するなど、米国中に混乱と論争を巻き起こし、今もなお事態は収まっていない。 さらにデモを警戒中の州警察のヘリが墜落し、警官2人が死亡する悲惨なおまけまでついてしまった。
その後、トランプ大統領の白人至上主義者を擁護したともとれる発言をめぐって批判が相次ぎ、大統領に助言する2つの諮問機関のメンバーが相次いで辞任。 トランプ大統領は当初、「代わりはいくらでもいる」と強気であったが、辞任の流れが止まらず、諮問機関の解散を発表する事態に至ってしまった。 今回のトラブルは人種問題に関わるものだけに、これから先も尾を引き、ヨーロッパ諸国を巻き込んでいくことになるかもしれない。
スペインで3つの連続テロ
一方、ヨーロッパではスペインのカタルーニャ自治州で17日、18日と数時間間隔で3つの連続テロが発生。 最初のテロは17日夕(日本時間18日未明)、観光地・バルセロナで発生
、13人が死亡、100人近くが負傷。 なお20人近い重傷者がいるようなので死者の数は今後さらに増えそうである。 本テロに対して過激派組織「イスラム国」系の通信社が、「イスラム国の呼びかけに応じて実行された攻撃である」と発表。 どうやら、またもやISによるテロのようである。
また、バルセロナ南部の別の町で民家が爆発し、多数の死傷者が出ている。 警察は民家にいた人物が爆発物の起爆装置を用意していたとみており、テロであるかどうか捜査しているが、テロによる確率が高いようだ。
さらにバルセロナのテロから数時間後の18日未明、バルセロナから車でおよそ2時間ほど離れた海岸リゾート都市カンブリスでも車が人々に突っ込み、民間人6人、警官1人が負傷するテロが発生。 警察は襲撃犯のうち4人を射殺。 両テロは関わりがある可能性が強いようだ。
今回の2つのテロもまた車の暴走によるテロで、買い物客や観光客でにぎわう街中に猛スピードで突っ込み、次々と人をはね、多数の死傷者を出している。
これまでにフランスやドイツなどヨーロッパ各地で次々と発生しているテロもまた、車の突っ込みによるケースが多いだけに、防ぐのが難しいことは確かだ。
過激派組織IS(イスラム国)については、最大拠点であったイラク北部のモスルがイラク軍によって奪還され、またシリアでもラッカが間もなく政府軍によって奪還されようとしている。 しかし、ISによるテロは一向に収まる気配がなく、悲惨な事故は増え続ける一方である。 シリアでISに洗脳された若者たちが自国に戻って、IS本部からの指令で実行しているケースが多いだけに、これから先も悲惨なテロのニュースは続くことになりそうだ。