100万人の栄養失調の子供たち、
コレラの死亡率さらに増加
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イエメンの惨状を語るユニセフ中東・北アフリカ代表・カッピラエル氏
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17日付の記事「宗教間対立がもたらしたイエメンの惨状」で、
2年以上にわたって内戦状態が続くアラビア半島南端・イエメンでは、1400万人が満足な食事が得られず、その半分の700万人が飢餓状態の寸前にある一方で、医療・水道・公衆衛生などの破綻によってコレラが蔓延しており、患者数が32万人、死者の数は1740人へと急増している惨状をお伝えした。
あれから10日が経過した先月末の段階で、コレラの患者数はすでに40万人を超しており、およそ2000人が死亡している
という新たな情報が伝えれた。 どうやら患者数と死者数の増加ペースは、前回の想定(1日当たり6000人と、20人)を上回って来ているようである。
先月28日、東京都内でユニセフ国連児童基金のシンボジュームが開かれ、中東・北アフリカ地域事務所のヘルト・カッペラエレ代表がイエメンの惨状を次のように語っておられた。
イエメンでは、現在の政権側と反体制派共に資金不足のため医療従事者への給料を支払えず、浄水施設の修復も出来ないと言いながら、一方でお金をかけて内戦を続けている。
もはや容認できる状態ではない。 優先すべきは戦闘なのか、弱い子供たちなのか。 内戦の当事者は直ちに決断すべきだ。 子供たちにこれ以上の苦しみを与えてはいけません。
また先般の報道では、国際的なNGO「セーブ・ザ・チルドレン」の担当者もまた、次のような点を指摘している。
@ イエメンの子供たちは想像を絶する悲劇的な状況に陥っている
A 「5歳以上の子供のうち、少なくとも100万人以上が栄養失調となっている
B 「栄養失調の子供がコレラに感染した場合、栄養状態に問題ない子供に比べて、少なくとも
3倍の確率で死亡する恐れがある
C 「世界が危機の深刻さに気付かなければ、状況はさらに悪化してしまうだろう
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コレラの治療に当たる病院は満杯状態が続く
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この子もコレラと戦っている。 なんとか救われてほしいものだ。
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こうした悲惨な状況下にありながら、おのれの損得のみを求めて闘い続けるイエメンの政府軍と反政府軍。
その政府軍を支援するサウジアラビアには米国がつき、反政府軍側のイランにはロシアがついており、その両者が対立する中で、もはや国際社会は打つ手がない状況に陥っている。 これでは
、これから先もコレラと飢餓状態は続くことになり、子供たちの死者数は増す一方。 何とも歯がゆい限りである。
そんな中、国境なき医師団やユニセフの職員、NGO「セーブ・ザ・チルドレン」など支援団体は、命がけで救助と支援を続けておられる。 彼らの努力で一人でも多くの人々、なかでも幼い子供たち
の命が救われることを願うばかりだが、我々に出来ることは、支援団体が十分な活動が続けられるように、たとえわずかでも、精一杯支援金を送らせて頂くことぐらいしかない。
そうした支援が出来たらと、今回、これから9〜10月に開催を予定している「北海道オホーツク海の写真展」の終了時までの間に、皆様に購入して頂いた写真の売上金の
一部を、「国境なき医師団」と「国連UNHCR」、「国連WFP」の3団体に送金をさせて頂くことにした。
なお、期間の終了を待っていては事態は悪化する一方なので、私自身の支援金を含めてとりあえず100万円を先に送金させて頂くことにした。 私や皆様の支援の心が届き、一人でも多くの子供たちの命が救われれば幸いである。
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こんな状態でコレラに感染したら死亡の確率は格段に高くなってしまう。
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