12日夜、米国東部ペンシルベニア州のフィラデルフィアで発生した列車の脱線事故については、日本のテレビでも報道されていたのでご存じのことと思う。脱線事故が発生した路線はボストンとニューヨークを結ぶ、米国で最も乗客数の多い主要幹線で、長距離列車はワシントンを出発しニューヨークに向かっていた。
列車には乗客と乗務員243名が乗車しており、150名以上が骨折などの負傷を負っており、
少なくとも7名が亡くなられたようである。事故が発生した現場はカーブが続いていることから、制限速度が80キロとなっていたが、事故車両は制限速度の倍以上の170キロ近いスピードを出していたというから信じられない。車両トラブルというより、運転手の精神的トラブルの可能性もありそうだ。
米国における自然災害のニュースは頻繁に掲載しているので、読者も今、米国が異常な状況に置かれていることをご承知のことと思うが、実は、航空機や列車の事故やトラブルも昨年頃からかなりの頻度で発生している。航空機に関してはこの1ヶ月間で、 私の知るだけでも10件を越す事故やトラブルが発生している。
トラブルの内容は様々で、エンジンのトラブルなどの機体整備の不備ばかりでなく、積雪で滑走路を滑って危うく海に突入しそうになったものや、機長がコクピットの扉が開かずトイレから席に戻れず副操縦だけで着陸したケース、さらには乗客同士の喧嘩騒ぎ、中には、荷物室に飛行場の作業員が乗り込んだままフライとしてしまったものなどもある。
数日前にも、ハワイ島から本土に向けて出発した飛行機がエンジンから出火し、緊急着陸したばかりである。トラブルの多くが機長の賢明な判断によって大事に至らず済んでいるので、あまり大きく取り上げられていないが、
どのトラブルもみな一歩間違えば、大事になっておかしくないものばかりである。
米国ではこれから、自然災害がその規模と頻度を増してくる一方で、今回のような列車事故や航空機の大規模な事故が数多く発生してくることだろう。それと同時に懸念されるのが、格差や人種差別に対する不満の爆発による暴動発生である。
黒人と警察官とのトラブルに端を発した抗議活動が、このところ次々と発生しているが、
これらはホピ族の預言が伝える「高い地位の猟師と、低い地位の猟師との間の狩り合い合戦」の前哨戦で、これから先、「高い地位にいる人々は、暴動やテロリズムを通して獣のように狩られる」状況が発生することになりそうである。それに火をつけることになるのが、経済の崩壊と基軸通貨ドルの暴落である。