一昨日、テキサス州のヒューストン西部で貨物列車9両が脱線し、その内2台が陸橋から道路に落下するという事故が起きた。 陸橋の下は幹線道路であったが、幸い通行していた車がなかったので奇跡的に死傷者は出ずにすんだが、道路の3車線をふさいで通行止めとなってしまったため、ラッシュアワー時の道路は大渋滞となってしまったようだ。、
今回この事故を取り上げたのは、アメリカにおける列車事故がここ数年異常なまでに増加傾向にあり、ABCニュースが伝えていたその件数があまりに多かったからである。その件数は貨物列車の事故だけでも、昨年1年間で1000件近くに達しており、1日あたりなんと3件となっている。 テレビのニュースキャスターも、「信じ難いほど頻繁に起きている」、と驚きを隠しきれない様子であった。
いくら米国が広大で電車や貨物列車が多く走っているといっても、毎月100件近い脱線や転覆事故が発生しているというのは異常である。 私が記憶しているだけでも、4月から5月にかけてのニューオリンズやフィラデルフィアの脱線事故から、サウスカロライナにおける踏切での車両との衝突脱線事故などかなりの数の事故が起きている。
読者は先月「米国・列車転覆事故」で記した、5月12日に米国東部ペンシルベニア州のフィラデルフィアで発生した、列車の脱線事故のことを覚えておられるだろうか。制限速度の倍以上の170キロ近いスピードを出して転覆し、10名近い死者と150名を越す負傷者を出した事故である。
その記事の中で、米国ではこれから、自然災害がその規模と頻度を増してくる一方で、今回のような列車事故や航空機の大規模な事故が数多く発生してくることだろう、と記しておいた。 その後1ヶ月間だけでもかなりの数の事故が起きており、再び今回の貨物列車の脱線、転覆事故となったのである。
事故の要因はフィラデルフィアの電車脱線事故のように、運転手の精神的障害発生によるものと思われるものや、線路の整備不良や天災など様々な要因があるようだが、これだけの事故が発生している背景には、そういった個々の要因とは別に、国が衰退に向かっているという大きな流れが潜んでいるようである。 私にはそう思えるのだがいかがだろうか。
相変わらず続く自然災害、頻度が増す一方その被災規模も次第に大きくなってきている。数日前から発生している雷、竜巻を伴った強力な嵐の進路にあたっているのが、南部から中部、さらには東海岸一帯にかけての2000万人が住む12の州である。
南部ルイジアナ州では過去70年で水位が最高に達し、レッドリバーでは町がすっかり水につかっている。テキサスからオクラホマでも住民は腰まで水につかって土嚢(どのう)を積み上げ、必死に住宅への浸水を防ごうとしている。
東海岸では竜巻と雷で変圧器が壊れ停電が発生、中西部のコロラド州では強大な積乱雲「スーパーセル」が空を覆って竜巻を発生させている。 また、中部のイリノイ州では豪雨、北部のニューヨーク州でも竜巻が発生している。
下の地図で上に記した各州の位置を確認して頂ければ、被害がいかに広い範囲にわたっているかが分かるはずだ。
今日、明日はセサル・ラトーレ氏のアンデス音楽の演奏会。たくさんのお客さんが来られるようなので大忙しだ。