想像を絶する凄まじい干ばつと水不足
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タイ北部や東北部を襲っている記録的な大干ばつで、広大な湖は
小さな水たまりと化してしまった。 以下2枚も同様。(NBC
NEWSより)
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今地球上では「世界同時多発地震」と「世界同時多発噴火」が発生し始めていることをお伝えしたが、もう一つの自然災害「世界同時
多発干ばつ」も発生して来ており、当該国の中には、一歩間違えば国家的危機に陥る可能性が大きい国も出てきている。
3月24日付けの記事「ウォータークロックがもたらす干ばつと飢餓」で、タイをはじめとして、エチオピア、パプアニューギニア、インド、モロッコ、ハワイ、南アフリカ、スワジランドなど、今年に入ってから多くの国々で、過去数十年で最悪か、あるいは「歴史上最悪」のレベルに達する干ばつが発生していること
をお伝えしたが、読者は覚えておられるだろうか。
あれから1ヶ月半ほど経過した5月入っても、厳しい状況は改善しておらず、それどころか、世界の干ばつ国とその地域はさらに拡大し、その規模はかなり深刻なものとなって来ているようである。 先に挙げた国の他に「世界同時干ばつ」国となっているのは、以下の通りである。
東南アジアのミャンマー、ベトナム、フィリピン、パラオ、南米のブラジル、ベネズエラ、ニカラグア、それにお隣り北朝鮮などである。 インドは「続く世界の異常気象」で記したように、ティトラガル地方で48・5度と信じ難い高温に襲われており、東部のほとんどの地域が45度前後。 この熱波によりインド全域で既に
200人を越す死者が出ている。
こんな状況下であるからもちろん雨はほとんど降っておらず、干ばつは拡大し続ける一方である。 その結果、900万人の農家の方が水が尽きたか、もうすぐ尽きる状況となっており、農業収入がまったく途絶えてしまったことから、すでに200人以上の農家の家長が自殺している
。
この水不足は学校にも影響を及ぼしており、閉鎖状態となった学校も出ているばかりか、病院でも、医療従事者が水を使えないため、治療や手術が出来なくなっているところが出ているようである。
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生活水を確保するため、日に何度も遠くまで水くみに出掛ける子供も大変だ。
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タイもベトナムもミャンマーも、前例がないほど雨が少なく気温が高いという点では共通しており、過去数十年で最悪級の干ばつとなっている。 フィリピンでは政府の干ばつ対策に抗議する農家の人々のデモで、武装警官の発砲によって3人の負傷者が出る事態
も発生している。
また、ベネズエラでは原油価格の低落で経済的危機に見舞われている上に深刻な水不足で、まさに「泣き面に蜂」的状態となっている。 水不足で水力発電が稼働しないため、電力供給がおぼつかなくなっており、計画停電が続いている
。 1日4時間の連続停電は日常生活だけでなく経済活動にも支障が来しており、経済の混迷で国中が混乱状態に陥っている。
隣国・北朝鮮の干ばつも、テレビではまったく報道されないため知る人は少ないが、過去100年で最悪の干ばつとなっている
。 金正恩第一書記は6日からの朝鮮労働党大会を前に、やれ長距離弾道ミサイルや核実験に夢中になっているが、今年の食糧不足は70万トンほどと
言われており、既に国民の40数パーセントが栄養失調状態に陥っているようである。
このように、今年の「世界同時多発干ばつ」は被害に遭っている国のいずれにおいても、人道的危機状態に遭遇しており、このままの状況が続くなら、大量死の発生につながる危険性が
次第に大き
くなって来ている。 エルニーニョやラニーニャ現象の影響で、梅雨やモンスーン時に十分な雨がもたらされないことになれば、7〜8月の猛暑によって状況はさらに悪化し、大量の死者と暴動の発生も危惧されるところである。
また世界同時干ばつがこれ以上広がるようだと、世界的な飢餓の発生も心配である。 世界的な飢餓をもたらす役目を担った「第三の騎士」の出現の時が
近づいて来ているようである。
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これでは農家の方の生活は成り立たず、周辺の住民は飢餓状態となる
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