英国はEUを離脱することになるか?
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EU離脱投票の行方が注目されるイギリス。
キャメロン首相の命運がかかっている。 (イギリスBBC)
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今EU諸国は難民の受け入れで国を二分する動きが起きており、先行きが心配されている。 そんな心配とは別に、EU(欧州連合)を代表するイギリス、フランス、ドイツでは新たな難問に遭遇し、国が揺れ動き出している。
先ずイギリスではEU離脱の是非を問う選挙が20日後に迫っており、メルケル首相率いる離脱反対派はもしも離脱するようなことになったら経済の落ち込みは顕著で、失業率の増加は必至だとする一方、次期首相を目指す前ロンドン市長派はこのままEUに残れば、増加する難民の受け入れも避けられなくなってくる上に、EUへの出資の割に得るものが少ないと、離脱を訴えている。
世論調査の数値を見ると、賛成、反対の割合はほぼ均衡しており、両者にとって予断を許さない状況となっている。 他のEU諸国や米国、IMFなどは離脱によってヨーロッパ統合が破綻し、経済の混乱も起きかねないと、強い懸念を表明している。
ワンワールドを目指す勢力にとって、離脱によるヨーロッパの分離は決して喜ばしいことではないはずなので、離脱は阻止される可能性が高いが、離脱の裏に何か隠された意図があれば、離脱が決定されることになるかもしれない。 既に世界大戦を2度引き起こしてきているヨーロッパ諸国間の今後の行方にも関わることだけに、もしも離脱になった時には、その後の動きを注視して行く必要がありそうだ。
続発するフランスのデモとストライキ
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17日、マルセイユで行われた大規模デモ
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先週の製油所のストライキは、ガソリンスタンドに長蛇の列を作った
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一方フランスでは、3月にオランド大統領が発表した労働者の解雇などの条件を緩和することを柱とした労働法の改正に、労働組合が激しく反対。 その後2ヶ月近く労働者や学生によるデモやストライキが頻発している。
先週には製油所のストでガソリンが不足し、ガソリンスタンドに長蛇の列が出来た。 またゴミの収集が滞ったり道路が封鎖されるなど意図的な妨害も多発。 昨日は鉄道組合の一部による無期限ストライキにより高速鉄道に影響が発生。 また今週中にはパリの地下鉄でもストが予定されており、さらに航空管制官やパイロットによるデモも予定されていることから、交通機関の混乱が懸念されている。
これから先、オランド大統領は労働法の改正を取り下げる考えがないことから、一体いつになったら終息するのか目処が立たない状況が、これから先、当分続きそうである。 昨年11月のパリで起きた同時多発テロ後発令された非常事態宣言は、さらに8月まで延長されることになるようだが、観光都市パリの観光収入は大丈夫なのだろうか。
我が国においては、大規模なデモやストライキなど近年起きたことがないので、驚きであるが、桝添東京都知事の公私混同の行為が次々と明らかになっているのに、辞任要求のデモも一向に起きる気配がないのは、なんとも情けない限りである。
一方は自己主張が行き過ぎなら、他方はまるで骨抜きにあったように何が起きても文句一つ言えない。 これでは原発再開を阻止することなど出来るはずがない。 必要とあらば隣国
・ベルギーの原発運転の10年延長に対してオランダの市民が反対するヨーロッパ国民、同じ先進国の国民でありながら我が国民とは、なんと大きな違い
である。
大雨でセーヌ川106年ぶりの増水
数日前から、フランスとドイツでは大雨による洪水が発生している。 もともとヨーロッパは雨の量が少ないのが特徴。 我が国では200ミリを越す雨量は特別驚くことではない。 しかし、平年では1ヶ月の雨量が60ミリ前後のフランス中部のメルロワ、そこに1日で、数ヶ月分の雨量となる155ミリの雨が降ったのだから大変。 いつもなら水深50センチ程度の小川が大河と化し、突然の増水で住民は屋根の上に避難。
首都パリもこのところ雨が続き、31日夜からの雨量は180ミリに達し、24年前の記録を更新。 パリ近郊のセーヌ川の水位は2メートルから一気に4.3メートルに達し、1910年の記録を106年ぶりにぬりかえる増水となった。
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セーヌ川の水位は106年ぶりに記録を塗り替えた
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ドイツ南西部でも洪水
ドイツでは政治的なトラブルは発生していないが、南西部に位置するバーデン=ヴェルテンベルク州で29〜30日にかけて豪雨となり、各地で洪水が発生、4名の死者と2名の行方不明者が出ている。
さらに31日に降った大雨で、バーデン=ヴェルテンベルク州の東隣のバイエルン州でも、車が流されたり住民が屋根の上に避難し、ヘリコプターで救出される事態が発生している。
こちらでは人命被害は発生していないが、物損は億単位になるようだから、被害の規模の大きさが分かろうというものだ。
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ドイツ南西部の洪水被害 〈ドイツZDF)
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南部バイエルン自由州も小さな川が大河と化した
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米国南部で洪水発生
1週間前に米国南部のカンザス州からテキサス州にかけて7つの州を30の竜巻が襲ったことは、「米国南部を襲った超巨大竜巻」でお知らせした通りである。 実はその後2〜3日の間に、さらに範囲を10の州に広げ、なんと発生件数は100件以上の数に達していたのである。
10の州といえば日本の本島の5倍以上はあるはずだ。 しかし、いくら広いとは言え、わずか5日程の間に100件の竜巻が発生するというのは、どう考えても異常だ。 その上さらに、その2〜3日後には、豪雨で洪水が発生し街が水浸しになり、6名の死者が出ているのだ。 テキサス州のプレナムでは5月の降水量が、平年の4倍に達しているというから凄い。
我が国では考えられないことであるが、HPをご覧頂いている読者ならお分かりのように、こうした異例で記録的な災害は米国のみならず、ヨーロッパや中東、アフリカ、オーストラリア、中国、東南アジアなど世界各地で起きている。
そしてその規模が巨大で被害額が大きくなっていることは、先日、世界銀行が発表した数値に表れている。 昨年1年間の災害被害額は1980年代のなんと4倍に達しているというのだ。 50〜60%増というなら分かるが、わずか30年の間に400%に達しているというのは大変な数値である。
今や地球を襲っている自然災害はその頻度を増し、規模を大きくしているのだ。 その意味するところは何か? 次回の「自然災害は人類への警告」でお伝えする予定なので、しっかり読んで頂きたい。
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大洪水に見舞われたテキサス州。 ヘリコプターで引き上げられた住民は2ヶ月の間に2度も
ヘリに救助されることとなったと語っていた。 まさに異例の体験である。〈米国ABCニュース)
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東海岸のサウスカロライナ州では熱帯暴風雨による
大雨で街のガソリンスタンドが水に埋まってしまった。
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