セーヌ川歴史的な水位に
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セーヌ川周辺には100年ぶりの光景が広がっている (フランス・F2より)
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今回は「自然災害は人類への警告」を掲載する予定であったが、前回の「気になる欧州の政治情勢と気候変動」で記したフランスとドイツの水による被害の、新たな情報が伝えられたので、その様子をご覧頂くことにした。
フランスのパリを流れるセーヌ川の水位が日に日に上昇し続けていることは、前回記した通りであるが、川の水位は前回の4.3メートルから3日の夜には6.10メートルに達し、地域によってはすでに街の一部に水が流れ込んで来ている所もあり、大規模な氾濫の危険度が増してきているようである。
川の沿岸にあるオルセー美術館やルーブル美術館は昨日から臨時休業に入っており、地下に保存された多数の作品が上階に移されている。 パリでは今から106年前の1910年に「パリ大洪水」が発生しており、その時には都市機能が完全に麻痺し、復旧に長い歳月を要している。
その後、防水対策が進んでいるため、今の段階では、そうした状況には至っていないが、川の水位は前回を上回る状況に近づいているようである。 週末にはそうした状況がさらに鮮明になっているのではないかと思われるので、再び報告することになるかもしれない。
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セーヌ川沿岸にあるルーブル美術館は水没の危機に見舞われている。
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朝窓のシャッターを開けたら、窓の高さぎりぎりに水位が上がっていた
その後、部屋に水が流れ込み、避難することとなった。
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場所によっては、既にこんな状態になっているところもある
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水没した車の姿も見える
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ドイツ南部バイエルン州の惨状
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泥流に襲われたバイエル州南部の町 (ドイツ・ZDFより)
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前回報告した南西部バーデン=ヴェルテンベルク州と南部のバイエルン州で発生した洪水の被害もかなりひどい状況で、本日のドイツZDFテレビは、泥流に飲み込まれたバイエル州南部の街の惨状を伝えていた。
その中で心を打ったのはシリアからの難民の人々が、恩返しするのだと言ってボランティアとして支援活動にあたっていることであった。 難民受け入れに関してはヨーロッパ諸国の中では最も積極的に取り組んでこられ、昨年1年間で100万人前後の難民を受け入れてきたドイツであるが、最近は他国同様、受け入れに難色を示す兆候が現れている。
しかし、今回の洪水による支援活動の姿を見ていると、何かヨーロッパの近未来を暗示しているかのように思えて来る。 かっての敵国に助けられる国が出てきているように、助けた人々が逆に支援を受ける、これから先、そんな巡り合わせが各地で起きてくることになるのかもしれない。
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シリア難民の恩返しが行われている
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