東欧に迎撃ミサイル配備
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ルーマニアに迎撃ミサイルが配備されたことを伝えるロシアTV
アナウンサーの背後に映されたミサイルの写真が恐怖心を煽る
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人類が等しく恐れている第3次世界大戦に向けての動きがじわりじわりと始まっている。 ウクライナ紛争から始まった「欧米対ロシア」の対立は、シリア内戦の和平協議
に米ソ両国が協力的であるように見えることもあって、表面上は穏やかな状況に見えているが、実はじわりじわりと厳しさを増してきているのである。
そうした動きの一つが、ルーマニアに配備されたNATO(北大西洋条約機構)の迎撃ミサイルの運用開始である。 12日からルーマニアで稼働し
始めたSM3というミサイルは、米国がNATOの加盟国をミサイルの攻撃から守るために欧州に配備したものである。
ルーマニアとNATOのトップは、この運用目的は決してロシアをターゲットにしたものではないと弁明しているが、これまでなら、イランの潜在的脅威に備えるものだ
と言い逃れが出来ても、イランへの制裁が解除され欧米との関係が修復された今は通用しない。 真の狙いがロシアからの攻撃に備えたものであることは明らかである。
NATOがこうした動きに出るのには、それなりの理由があるのだ。 我が国のマスコミでは伝えられていないが、バルト三国やロシアに近いルーマニア、ポルトガルなどの国々では、ロシア艦船や潜水艦、あるいは航空機による領海、領空侵犯が頻繁に行われているからである。
しかし、今朝のロシアTVはプーチン大統領が国防相幹部会議で今回のNATOのミサイル防衛システムの運用開始についてコメントし、米国は防衛のためだと主張するが、これは防衛ではなく戦略核兵器の配備だと述べ、米国を強く批判していることを伝えている。
また、ポーランドでもルーマニア同様のミサイル関連施設の建設が始められたようで、来年には稼働することになりそうである。 施設がロシア領土からわずか150キロしか離れていない場所だというから、ロシアにとって脅威であることは事実である。 それだけに今後、ロシア政府がそれなりの対抗措置をとる可能性
は大きく、ロシア対欧米の対立がさらに深まることが懸念される。
シリアで病院の空爆、患者と医師が多数死亡
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空爆されたアレッポの病院は悲劇の場と化した
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2月停戦が合意されたシリア内戦。 ここに来て北部の都市アレッポやイドリブなどで政府軍と反政府軍との間で戦闘が再開されており、今朝のカタールのテレビ、アルジャジーラは、この1週間で少なくとも6回にわたって空爆が行われており、シリア軍とロシア軍によるものだと伝えている。
このエリアは先の休戦協定で決められた休戦エリアであることを考えると、休戦協定はもはや事実上有名無実と化していることは間違いないようだ。 現に、仲介役を務める国連のシリア担当・デミストラ特使は、先日の記者会見で「まだ多くの場所で停戦は保たれているが、非常に危ない状況でまさに虫の息だ」と語っている。
一連の爆撃でもまた、犠牲者の多くは女性と幼い子供たちであったようであるが、私が一番気になっているのは、先月末のアレッポでの空爆において、本来攻撃されるはずのない病院が爆撃されていることである。 まさに人道に反する行為であるが、どうやらそうした行為も意図的に行われている可能性があるようだ。
病院や医療施設が破壊されて医師がいなくなると、住民は他に移動せざるを得なくなってくる。こうして住民がいなくなると、住民の大量の死者を出さずに街を大々的に爆撃することが出来、敵から一気に拠点を奪い取ることが出来るというわけである。 アレッポの空爆では、患者や医師など50人以上が死亡、ただ一人の小児科医も命を落としている。
以前からわずかではあるが、難民救済のため徳乃蔵で写真を購入して頂いた利益を国境なき医師団などに寄付しているのも、命がけで戦地に赴き医療に携わっている医師たちを支援するためである。 それだけにこうしたニュースを目にすると、心が張り裂かれるようでやりきれない気持ちになってくる。
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破壊された病院の内部。 流れた血と医療器具が痛々しい
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難航するトルコのEUへのビザ免除
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EUが要求するテロ法改正を受け入れないエルドアン大統領
EUとトルコの難民協定は破棄されることになるかもしれない
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シリアの状況を見てもらえれば、これから先、シリアからの難民はますます増えることになりそうであるが、一方、難民が命がけで逃れようとしているヨーロッパでは、受け入れとは逆さまな状況が発生しており、EU自体が混乱状態に陥りそうな状況と化している。
トルコ国民のビザなしでのEU(欧州連合)諸国への出入り、渡航のためのビザの自由化についての交渉が難航している。 EUはビザの自由化の前提として、トルコ政府が現在のテロ法を改正することを条件としているが、エルドアン大統領はそれには応じられないと反発しているのだ。
問題は、4月にトルコとEUとの間で結ばれた難民協定において、ギリシャに渡った難民・移民を全てトルコに送還することをトルコが受け入れる上で、6月までにトルコ人のEUへの入国のためのビザ免除が実施されることを条件としている点である。
もしも、これから先交渉が難航し、約束の期限の6月までにビザ免除が実施されなければ、EUとトルコとの間の難民協定は反故にされることになりそうだ。 そうなれば、今もなおギリシャ北部の町でテント暮らしを続けている難民1万人に加えて、協定締結後にエーゲ海を渡ってギリシャに流入している難民は全てギリシャ国内に留まることになってしまう。
フランスやベルギーのテロ発生以降、EU各国において難民受け入れを拒否する極右政党が頭角を現してきているだけに、増え続けるギリシャ滞留の難民を受け入れることは一段と難しくなっている。 ギリシャは7月に迫った借入金の返済で四苦八苦しており、これ以上増え続ける難民を受け入れることはとうてい無理である。
となると、6月から7月、8月にかけてEUは再び難民問題で大きな混乱に遭遇することになりそうである。
オリンピックを前にルセフ大統領職務停止
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ルセフ大統領は、オリンピックの晴れの舞台に立つことは出来なくなったようだ
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リオデジャネイロ・オリンピックの開催を目前にしたブラジルでは大統領の罷免を巡って大騒動が起きている。 2011年にブラジルの初めての女性大統領として就任したルセフ大統領は現在2期目を迎えているが、財政赤字を実際より少なく見せるために政府会計を粉飾した
として、野党側からルセフ大統領裁判の開始を求められていた。
12日、その弾劾決議が賛成多数で可決され、これから上院に設置された弾劾法廷で6ヶ月にわたる裁判が開かれることになった。 そのため、180日間にわたって大統領は職務停止となり、大統領としての権限を失うことになる。 大統領代行となるのはテメル副大統領であるが、彼もまた汚職疑惑がつきまとっている人物だけに、ブラジルの政界はいまや国民から総スカンを食った状態
となっている。
中国経済低迷の影響を強く受け、深刻な経済危機に陥っているブラジルでは、オリンピック施設が十分に整備されない中で、
まもなく南米で初めてのオリンピックが開催されようとしている。 その上、国を2分する政治論争が一段と激しさを増し、大規模デモも幾つか予想されるという前代未聞の状況下、国民はオリンピックを迎える気分ではなさそうだ。
こうしたニュースを見るにつけ、4年後の東京オリンピックもまた同じような状況で迎えることになるのではないかと心配である。 これから先、地球規模の天変地異や経済崩壊、さらには最終戦争に向けての動きが加速されようとしているため、オリンピックの開催そのものが実現するかどうかが不透明である上に、仮に開催されたとしても、ブラジル以上に混乱した状況での開催となる
可能性は大である。
前例がないほどの外遊費を使い、家族旅行の費用も経費で落としていた桝添東京都知事もまた、オリンピック会場に立つことはなさそうである。
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数十万人規模の反政府デモが続くブラジル。オリンピックムードは半減している。
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