寒気と猛暑、干ばつと洪水
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南ヨーロッパ・セルビアの降雪
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猛暑、干ばつ、洪水が続く世界の異常気象。 今週はじめヨーロッパ各地では北からの寒気が流れ込み気温が低下、ドイツのベルリンでは朝の気温が6℃、スイスのジュネーブでは2℃。 さらに南下した寒気は、南ヨーロッパのバルカン半島のセルビアに季節外れの雪を降らし、農作物に被害が出ている。
同じ北半球の高緯度地帯の北アメリカ大陸のカナダでは反対に、連日25℃を越す高温が続いており、首都オタワでは来週には30〜31℃の猛暑が予想されている。 因みにこの時期の最高気温の平均値は21℃なのでので、平年値を10度も上回ることになる。
また、この暑さと干ばつで今月1日にカナダ北西部で発生した山火事については、「カナダで大規模な山火事発生」でお伝えした通りであるが、発生から半月以上経過した今もなお延焼し続けており、すでに東京都の面積を超す広大なエリアが焼き尽くされて、記録的な災害となっている。
高温と言えば南アジアでの猛暑は凄まじい。 中でもインド北部やパキスタンでは50℃を越す異常な暑さで、今年世界で観測された最も高い高温となっている。 インドのチェルという町では18日、19日と50℃、51℃の高温が続いている。 インドでは
今年熱中症や脱水症で亡くなった人の数はすでに300人を超えており、今回の高温で死者の数はさらに増えそうである。
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1951〜80年に比べて、今年の地球の平均気温は毎月高く
なっている。4月の気温は、カナダやロシアでは5度以上も高くなっており、
低くなっているのは、北アメリカの北東部と南アメリカの南部だけである。
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一方、東南アジア各国ではこれまでにもお伝えしてきたように、高温と同時に干ばつが続き農作物への被害が広がっている。 ところがここに来て最も被害が深刻だったタイでは、一転して大規模なスコールで洪水や土砂崩れが発生している。 また数日前にはインド洋のスリランカでも同様な洪水、土砂災害が発生し100人を越す死者が出ているようである。
とにかく今の世界の気象は尋常ではない。 マスコミは温暖化、温暖化と騒いでいるが、2℃や3℃の温度上昇ではない。 カナダの事例を見れば分かるように最高気温が平年値を10℃も上回っている。 かと思うと温暖な南欧のセルビアで5月の中旬に雪が降っている。
温暖の差が極端なら、降雨量もまた極端。 その典型的な一例がタイである。 干ばつで農作物が枯れて大きな被害が発生している一方で、突然の大雨で田や畑は洪水で流される。 米国のカリフォルニア州なども、ここ数年同様な状況が続いていることは、すでにお伝えしてきている通りである。 穏やかな我が国に住んでいると、世界のこうした状況を見逃してしまう。
それゆえ、繰り返しになるが世界の異常気象ニュースをこうして伝えているわけである。 読者は 同じようなニュースに少々うんざりしているかもしれないが、書いている私はさらにうんざりしている。 それでも、今世界で起きている実際の姿を伝えねばという強い思いに駆られて、書き続けているのだ。
読者におかれては、今地球が遭遇しつつある異常な自然の実体を、しっかり心に留めておいて頂きたい。
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干ばつが続くタイでは一転して洪水が発生
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スリランカでも洪水と土砂崩れ発生
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カナダの大規模な山火事は、半月たった今もなお続いている
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