ブラジルでコロナ禍が急拡大して来ていることについては、既にお伝えして来ている通りである。今そのブラジルをも追い抜く勢いで感染者や死者が急拡大して来ているのがインドである。
インドでは新たな1日の感染者数が4日連続で30万人を超え、この1週間で200万人を突破して歯止めがかからない状態に陥っている。人口が中国に次ぐ14億人とは言うものの、異常な状況であることは確かである。
この爆発的な感染者の急拡大で医療現場は崩壊状況に陥っており、医療用の酸素不足によって急増する患者を受け入れる病院がない状況となっている。首都ニューディールの最大の病院でもベットが満杯の状況を通り越して、一つのベットを複数の患者が利用する異常事態と化している。
そうした危機的状況を伝えるフランスのテレビは、公式発表では24日の死者の数は2700人ほどと発表されているが、実体はそれよりはるかに多くの方が亡くなっているようであると伝えていた。そうした死亡者の急拡大で、火葬場では遺体の焼却が追い付かず、中庭で火葬する事態になっている。(下に掲載した写真を見て頂ければ悲惨な状況がお分かりになるはずだ)
その姿は道路に屍が累々と横たわった昨年の中国の悲惨な状況とそっくりで、目を覆いたくなるようだ。もしも、このまま酸素ボンベの不足が続くようなら、死者の急増は抑えようがないようである。シンガポールやサウジアラビア、EU各国から酸素ボンベとベットが発送されようとしているようであるが、こうした状況はすぐに終息することは難しそうである。
コロナ禍による死亡を防ぐのに欠かせないのが酸素ボンベであるが、イラクでは3階建ての病院の2階で24日、患者の治療に使っていた酸素ボンベが爆発して火災が発生、患者や見舞客80人が犠牲になる事故が発生している。
十分な防火対策が取れていなかったことが大事につながったようであるが、どうやらコロナ禍はこれから先、第4波、第5波の発生が続くようなら、世界各国で様々な形で悲惨な状況を発生させることになりそうである。
また、コロナ禍は死者や感染者の急増だけでなく、東南アジア等からカタールやサウジアラビアなど中東諸国へ出稼ぎに出掛けている人々から職を奪い、仕送りをするどころか自分たちが食べていくことすら、厳しい状況に陥れているようである。それにしてもなんともはや、いやな世の中になって来たものである。