先日、ヨーロッパ各地が異常な寒波に襲われて、国や地域によっては、過去数十年、中には過去100年来となる「春の寒波」に襲われているところもあり、中でもフランスではその影響が大きくワイン用のブドウ畑が全滅状態と化して、今年はフランスワインが食卓に乗りそうもなくなっているニュースをお伝えした。
その要因は通常なら北極圏の上空を循環している極めて冷たい大気が、気圧の異常な配置に
よって一気にヨーロッパ大陸に流れ込んだためである。ところが驚くことに、東隣のロシアでは、欧州とは全く逆の現象が発生しているようである。
ロシア中央部を襲っていた異常の温かさはその後シベリア地方や極東地域に移動し、今週の平均気温はなんと平年より10〜15℃も高くなっており、沿岸部ではその異常な高温により氷解した巨大な流氷が流れ込んで、堤防を破壊したりするなどの被害が発生しているようである。
また、街中を流れる河に張った氷の厚さは2mにも達しているところがあるため、こうした氷が一気に解ければ洪水が発生する可能性もあり警戒しているようである。既に場所によっては、東西を結ぶ唯一の幹線道路を洪水のために閉鎖しなければならなくなっているところも出ており、市民生活に影響が出始めているようである。
我が国でも、桜の花が20日以上早く咲くなど、気温の上昇は目に見え始めているものの、市民生活や農作物への被害が出ておらないため問題視されていないが、地球規模で寒暖化が顕著になって来ていることは、
しっかり頭に入れておく必要がありそうである。
フランスやロシアの国民が遭遇している災難が、いつ我が身に降りかかって来るか分からないからである。