EUから離脱後、国家衰退の
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かっての覇権国家イギリスは今国家衰退に向かって、危機的状況に陥ろうとしている。
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地球の再生を前にして、国家の衰退が懸念されている主要4カ国は、私の予測では中国、米国、イギリス、イスラエルである。
チベットを滅ぼした後、ウイグル族に対する虐待行為によって更なるカルマを積む中国は、
自然災害による食糧危機で農民一揆が発生し始めている。また米国は神国・日本への原爆投下や戦後世界各地で行ってきた戦争によって生じたカルマで、国民同士の争い・ヘイトクライム(憎悪犯罪)的殺人事件が多発して来ている。
こうして中国と米国が国家破綻に向かう可能性が大きいことは、既にお伝えして来た通りであるが、今回はイギリスで発生し始めている国家破綻の兆候について記すことにする。
イギリスにおける国家破綻の兆候と言えるものは、EU(欧州連合)からの離脱によって発生し始めている貿易問題、揺らぎ始めた金融業界の危機、それに、近隣の島国との友好関係の軋みや国内での不満の発生である。
煩雑な貿易ルール問題
EUとの間に発生している貿易上の問題については既に「イギリスの漁業者と搬送業者に、EU離脱で問題が発生」でお伝えしたが、
問題となっていた関税ゼロについては実現したものの、検疫や通関手続
きに関しては今も混乱が発生し続けており、恵まれた海産物の輸出やイギリスが誇るファッション業界ではEUとの間の貿易が40%近く減少し、危機的状況に陥っているようである。
イギリスでは豊かな海産物に恵まれているが、それを味わう食文化がないため、エビやカニ、貝類などの大部分は高級食材として輸出され、フランスなど欧州大陸の国々の食卓を飾って来てい
る。
ところが、EU離脱によって出荷のたびに多くの書類の作成が必要になって来ており、今までフランスの取引先に12時間で届けていた食材が、今ではまるまる3日間もかかるようになってしまっており、新鮮さが何より大事な海産物には大きな打撃となっている。
また中小企業が多いファッション業界においても、輸出する際には山のような書類手続き
必要とされてその作業に忙殺され、法的チェックなどにかかるコスト増に耐えられない会社が続出しているようである。
揺らぐ金融センターの地位
もう一つ重大な問題点が発生してきているのが、世界中からお金が集まる「金融センター」として名高いロンドンの金融センターである。金融センターはこれまで
イギリス経済を支える黒字産業の一つとして最も重要な産業とされて来ており、それを抱えたロンドンシティーは世界の金融センターとしてニューヨークと双璧的存在として発展し続けて来ていた。
しかし、そのロンドンは今やその地位を失い、それに代わって首位に躍り出たのがオランダのアムステルダムで、
そこにはロンドンの取引量の大半が移ってしまっているようである。
その要因となったは,EUには、ユーロで売買されるEU企業の株はEU内の取引所で扱うという原則があったからである。その結果、
ロンドンシティーにおけるEU株の売買高は90%も減少してしまったのである。
国内の「スコットランド」と「ウェールズ」「北アイルランド」との友好関係に軋み発生
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左側(西側)にある島はアイルランド島、右側(東側)はグレートブリテン島。
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イギリスと言えばフランスの対岸に浮かぶグレートブリテン島を思い出す方が多いかと思うが、その島は「イングランド」と
「スコットランド」と「ウェールズ」に分かれており、西隣の対岸にあるアイルランド島は「アイルランド」と「北アイスランド」に分かれている。
そして正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と呼ばれているイギリスに属しているのは、「イングランド」と「スコットランド」と
「ウェールズ」「北アイルランド」で、アイルランド島の南側に位置するアイルランドはイギリスとは別国の「アイルランド共和国」で今もEUに
残っている。
簡単に言うと、イギリスはイングランドにウェールズ、スコットランド、そして北アイルランドという4つの国(民族)が連合して出来た国である。
このようにイギリスは歴史的にも地理的にも複雑な関係にある国(民族)が集まった共和国であることから、近年、様々な面でトラブルが発生してきている。そして今、イギリスがEUから離れたことによって更にその
トラブルの頻度が増して来ており、スコットランドとウェールズ、北アイルランド
のイギリスからの離脱を探る動きが出ており、イギリスとの間に新たな不協和音が発生し始めているのである。
特にその傾向が強くなっているのは北アイルランドとスコットランドである。EU離脱後、海を隔てた北アイルランドには荷物が届きにくくなっており、オーガニック食品やチーズ、肉製品の仕入れは、これまで注文から2日で届いていたのが、今は4週間もかかるようになっているようである。
というのは今までは同じEU加盟国であったアイルランドからの輸送に時間が掛かるようになってしまったからである。
またイギリスと同じ島に属するスコットランドでも、望まぬEU離脱を強いられてしまったことから、ロンドンの中央政府に対する怒りが野火のように広がっており、連合王国イギリスからの独立機運が高まっ
て来ているようである。
こうした点を考えると、かっての大英帝国・イギリスは
世界に対する覇権を失った後も、EUを設立してその中心的な立場で、世界に冠たる地位を維持し続けて来ていたのであるが、今やヨーロッパ大陸から離れた単なる島国国家と化してしまう可能性が、大きくなって来たようである。
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