インドにおけるコロナウイルスの急激な感染拡散については、先日「医療崩壊に陥ったインド」でお伝えしたが、その後も拡散状況は一向に収まる気配を見せていない。感染力の強いインド型の変異株の広がりによって1日の感染者数が40万人を超える事態となって来ており、累計の感染者数はブラジルを大きく抜いて2000万人の大台に乗せる状況と化して来ている。
モディ政権は経済への打撃を避けるため、今もなおロックダウン(都市封鎖)に踏み切れずにいるが、病院ではベッドや酸素ボンベが不足して患者を受け入れられず、救急車の中で亡くなる人が急増。遺体安置所や火葬場が対応に追いつかない状況と化して来ている。
そんな中、先日、中国の「中央政法委員会」がSNSの公式アカウントに、インドでの厳しい状況を嘲笑するかのような合成写真を掲載し問題となっている。そこには、左側
に中国のロケット打ち上げ時の点火写真が掲載され、右側には防御服を着たインド人がコロナで亡くなった遺体を燃やしている様子が掲載されている。
さすがにこの常軌を逸した写真には海外のユーザーからだけでなく、
中国国内のユーザーからも「人間性がない」「恥を知れ」などの批判が相次いでいるようである。「中央政法委員会」は米国やオーストラリア等との友好を深めるインド政府に対する嫌がらせとして掲載したものと思われる
が、非常識な写真であることには間違いない。
国の内外からからの批判が相次いだことから、どうやら問題の画像は5月1日の深夜に削除されたようであるが、覇権国家を目指す中国の公式な政府機関が為した行為としては、なんともはや恥ずかしい行為であった。
残念ながら、これが中国共産党政権の隠された一面なのである。