先日北米からカナダの西海岸沿いにかけての一帯が50℃程の猛暑に見舞われ、350人を超す死者が発生したことをお伝えした。その後まもなく、今度は米国南部西海岸のフロリダ州にハリケーン「エルサ」が上陸し、大雨と強風で大きな被害が発生。まさに米国は自然災害のメッカと化してしまったようである。
話は変わるが、昨日、アフガニスタンに駐屯していた米軍が完全撤退したニュースを読者もご覧になられたことだろう。米軍がアフガニスタンに駐留したのは2001年、ニューヨークで9・11テロが発生した直後であったから、駐留は20年間続いたことになる。
アフガン派兵の目的はニューヨークでのテロ事件を起こしたタリバン政権を崩壊するためであったが、とりあえず、その目的は実現したものの、その後残った残存勢力が次第に勢力を強め、今は、アフガンの25%の地域がタリバンの支配下に置かれた状況と化している。
今回の米軍の完全撤退によって、もしも、アフガン兵士の士気が崩壊することになれば、タリバンに入隊する兵士が続出することになるかもしれない。そうなれば、米軍の行ったアフガンへの派遣は意味がなくなってくる。
そうなれば、この20年間の米軍の戦闘員3500人と、アフガンの一般市民十数万人の死者の魂は浮かばれない。そして、国を追われてイラクやシリアに逃れて苦難に遭遇している何百万人の難民達も同様である。
元々、3・11テロは米軍がアフガンとイラクの石油を獲得するために引き起こしたものであったが、米国の得たものはわずかで、失ったものは多くの戦闘員と多大な戦費であった。そして、イラクとアフガンの政情は今もなお混乱したままで、国民の生活は困窮状態が続いている。
こうしてブッシュ親子が引き起こした中東戦争は、膨大な戦費をもたらすこととなり、米国政府は大きな負債を背負うこととなったのである。それだけでなく、その後、米国社会にコロナ禍という巨大なカルマをもたらすところとなり、患者数3300万人、死者数は第2次世界大戦の米国人死者数30万人の2倍となる60万人となったのだ。
追記
8日、イギリス軍もアフガニスタンから撤退を開始した。イギリスはこれまでにNATO(欧州連合)の一員として1万人ほどの兵士を派遣し、戦死者の数は457人。現在残っている兵士は750人ほどで、その半分ほどが撤退することになったようである。
中国では5年ほど前から自転車が移動手段の主役となっていた。その結果、街には色とりどりのカラフルな自転車があふれていた。
そうした状況下、自転車販売業者が早い者勝ちと考えて、大変な数の自転車を購入しその置き場として街中の歩道に展示するところとなった。しかし、自転車ブームは短期間で終了したため、販売業者の倒産が相次ぎ、70社を上回る業者の内、残ったのは、わずか20社となってしまった。
その結果、倒産した業者が放棄した自転車は空き地に集められて、そこは「自転車の墓場」と化すところとなったというわけである。上の写真をご覧になると、広大な広場の小屋の周りに集められた自転車の数が、いかに膨大なものであるかお分かりになられるに違いない。
こんな光景は中国以外の国では絶対に目にすることはない。こうして放棄された自転車は政府によって集められて解体され、何かに転用されることになるのだろうが、なんともはやもったいないことである。
もしも、こんな国が世界の覇権国家になった時には、地球の資源は皆食い荒らされてしまうことになるにちがいない。いやはや恐ろしいことである。