中東の東エルサレムでユダヤ人の入植者たちが多くのパレスチナ人の世帯に対して、強制的に立ち退きを求めたことから両者の間で衝突が起き、パレスチナの戦闘集団ハマスとイスラエル軍との間に武力衝突が発生。パレスチナ人が暮らすガザ地区から戦闘集団ハマスがイスラエルに向かってロケット弾を発射する一方、イスラエル軍からは戦闘機による空爆が行われている。
その後も、両者の戦闘行為はエスカレートする一方で、イスラエル側の被害は死者7人と少ないものの、ガザ地区は多くのビルや住宅が崩壊し、子供を含む83人が死亡するなど厳しい状況と化している。そうした状況について国連の中東和平担当者は「戦闘はエスカレートしてきており、全面戦争に向かっている」と事態の深刻化が進んでいることを発表している。
こうした事態の悪化を受け、国連では12日、2度目の安全保障理事会の緊急会合が開かれて協議したものの、一致した対応を示すことは出来なかった。中国などは双方に暴力の停止を求める声明案を提案したが、米国が「イスラエルの自衛の権利」を支持して、声明発表に反対したためである。
残念ながら、米国と他の理事国との温度差が再び鮮明になったというわけであるが、イスラエルの自衛権を主張しながら、パレスチナの自衛の権利を受け入れないというのでは理屈が通らない。それは、覇権国家として長い間世界に君臨してきた米国が、ロスチャイルドやロックフェラー等のユダヤ系大富豪による影響下に置かれていることを如実に物語っている。
バイデン政権はトランプ政権に比べれば極端なイスラエル寄りの姿勢は示していないが、偏った姿勢であることには変わりはないようである。こうして米国が今回の紛争に対して和平交渉に関わろうとしていないことを考えると、これから先も、イスラエルとパレスチナの暴力の連鎖は止むことはなさそうである。
どうやら、両者の富の差、武力の差を見れば、これから先、「貧者」であり「弱者」であるパレスチナ人が益々窮地に立たされることは間違いなさそうである。それは、聖書が伝える人類滅亡の最終段階に登場する、ロシア軍がイスラエルの地に立つ時が、刻々と近づいていることを伝えているようである。