中国の崩壊は食糧危機によって発生することになる可能性が高いことや、それを引き起こすの要因が自然災害やイナゴの大群発生となる可能性が高いことは、既に昨年の記事「中国では南部にもイナゴの大群発生」や「中国、長江流域で大雨による被害拡大」「三峡ダム崩壊まで水位あと12mに迫る」等でお伝え済みである。
習近平政府は国民の食糧不足が政権転覆の最大要因となることを熟知しているため、国民の主食であるコメや大豆、トウモロコシだけでなく、豚などのエサとしての大豆も爆買いして世界的に価格を押し上げているのである。その結果、大豆の先物価格は昨年あたりから急騰し現在は8年ぶりの高値圏に入っている
。
こうした食糧危機に対しては習近平政権は百も承知の上で、
大豆や小麦やトウモロコシなどの在庫の確保のために世界各国から爆買いを始めているのである。中でも80%を輸入に頼っている「大豆」の輸入量は1億トンと10年で2倍に急増、自給できているとされている「トウモロコシ」もこの2年間で輸入量が3倍となっている。
こうした輸入量の急拡大の要因となっているのは食糧危機に備えるためだけでなく、急速な経済発展によって、国民の生活が豊かになって来ていることも要因の一つとなっているようである。その代表的なものが中国人好みの豚肉の消費の急増である。その結果、豚の飼育に必要な
餌(えさ)の量が急拡大し、大豆やトウモロコシ等が一段と需要増となり、輸入量が拡大してきているのだ。
こうした状況で心配されているのは世界の食糧の在庫の問題である。現時点で世界の食糧の生産高は27億トン、在庫量は8億トンとなっているが、この在庫量の内4億トンは今まで米国が保持して来ていた。ところが、
現在の中国による爆買いが続けば、4億トンの在庫は中国に移って米国の在庫
は激減し、今年の夏場には在庫が一粒もなくなるのではないかと心配されているほどである。
米国の農家の方は中国への輸出によって生活を豊かにしているが、今後、異常気象の発生が増してきた際には生産量が激減することは間違いないだけに、その時には
、米国が4億トンの在庫を抱えた中国に頭を下げて輸出をお願いすることになりそうである。
しかし、それは不可能だと思われる。
米国の4倍を上回る14億4000万人の人口を抱えた中国自体が、昨年の長江の氾濫による危機的事態の発生が示しているように、近年、米国に負けないほどの異常気象に見舞われて、生産量が激減
する状況が発生しているからである。
こうした危機的状況の到来は他国の話ではない。食糧自給率が40%以下となっている我が国において
も、輸出国の生産状況次第で食糧危機はいつ発生してもおかしくない状況にあるからだ。読者に置かれては、前からお伝えしているように、食糧不足がマスコミをにぎわすことになる前に、しっかり準備だけはしておいて頂きたいものである。
現在の我が国における田んぼの稲さくとしての使用状況の詳細は分からないが、我が家周辺では40%程度となっており、残りは一部が畑作に転用され、後は草の生えた荒れ地となっている。それ故、いざ稲作を始めようとしても簡単にはいかない。それより、稲作が出来る人の数が激減すると同時に老齢化が進んでいるため、いざ始めようとしても稲作に携われる人がいないのだ。
くれぐれも、食糧自給率が40%を下回っていることは忘れないでおいて頂きたい。