ガザ地区に比べ、イスラエルの被害が
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ガザ地区から発射されたミサイルを、迎撃ミサイルで破壊するイスラエル軍。
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中東の東エルサレムに住む多くのパレスチナ人の世帯に対して、ユダヤ人たちが強制的に立ち退きを求めたことから発生したパレスチナの戦闘集団ハマスとイスラエル軍との武力衝突から、早くも
10日目に入った。
その間、イスラエル軍によるガザ地区への空爆で多くのビルが崩壊され、230人を超す死者が発生していることは既にお伝えして来た通りである。また、攻撃はイスラエル軍からの空爆だけでなく、ガザ地区のハマスからもイスラエルの幾つかの都市に向かってミサイル攻撃も行われているのである。
しかもその数は既に3000発に達しているようであるが、不思議なことに、イスラエルにおける死者はわずか10人程である。色々の情報を探ってみたがその数値は間違いないようであった。私が疑問に思ったのは、数千発のミサイルが打ち込まれているというのに、なぜ死者の数がそんなに少ないのかという点であった。
最初はパレスチナの戦闘集団ハマスがミサイルの発射に慣れていないために、目的地に正確に着弾していないのではないかと思ったが、ミサイルはイランから支援されたもので当然発射訓練も受けているはずであることを考えると、納得がいかなかった。
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ガザ地区からのミサイルは迎撃されて破壊され、一部の破片が落下して車を破損。
被災の様子はパレスチナの被災地の様子(下段の写真)とは桁違いである。
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その疑問が解けたのだ。実は昨日、ウオールストリートジャーナルから送られてきた記事を読んで、初めてその理由が分かったというわけである。それはイスラエル軍が性能の高い防空迎撃ミサイルシステムを所持している為であった。
そのシステムは「アイアンドーム」と呼ばれており、砲台とレーザーでつなぐネットワークで構成されているのである。ガザ地区からのロケット弾が人口密集地に向かっていると判断
されたら迎撃する一方で、空き地に向かっていると判断したら放置する仕組みになっているのである。
ネットでつながったコンピューターが着地点を判断するため、無駄な迎撃はしないで済むため何千発のロケット弾に対しても、少ないミサイルで
効率的に迎撃出来ているというわけである。こうした効率的なシステムと防空迎撃ミサイルを所持している国は少ないようである。
それでは何故人口900万人ほどの小国イスラエルがアイアンドームのような迎撃システムを所持しているのかというと、米国から支援を受けて設置出来たからである。実は
この迎撃システムは今から10年前の2011年に、米国から16億ドル(1750億円)の支援を受けて構築されたものだったのである。
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イスラエル軍による空爆がいかに大規模な被害をもたらしているかが分かる。
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ガザ地区の子供や女性を含む230に達する死者を発生させているイスラエル軍の戦闘機も米国からの支援を受けていることは間違いない。となると、パレスチナの国民はイスラエルと米国から攻撃されているようなものである。どうやら、米国
がパレスチナの地でもまた多くの「カルマ」を積んでいることは間違いないようである。
米国の議会で唯一のパレスチナ系米国人であるランダ・タリーフ下院議員は、下院議会でガザ地区の惨状に涙を流しながら演説し、「米政府はパレスチナ人の虐待に目をつぶっている」と訴えていた。
一方、エレーン・ルリア下院議員は「私はユダヤ系米国人としてイスラエルには存在する権利があること、そして、イスラエルには自らを守る権利があることを主張する」と述べている。しかし、この議員は今回のことの発端がユダヤ系住民によるパレスチナ住民に対する一方的な立ち退き行為によるものであったことを知らないのだろうか。
どうやらこの議員は、イスラエル人に様々な権利があるなら、同様な権利はパレスチナ人にもあることをすっかり忘れてしまっているようである。
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