カルマが銃規制を妨げる
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涙を浮かべながら、銃規制の必要性を語るオバマ大統領。
この時の彼の顔が非常にいい顔をしていたのが印象的であった。
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自然災害と銃乱射事件が頻発する米国。 そんな中、昨日、ホワイトハウスで銃犯罪の犠牲者や遺族を前に、これ以上、銃による犠牲者を増やしてはならないと、オバマ大統領が涙ながらに訴えたニュースが伝えられた。
3年前、コネチカット州の小学校で起きた銃乱射事件で、子供や教師27人が犠牲になった事件以来、オバマ大統領にとって、なんとしても成し遂げたいのが銃規制強化。
そのため、早い機会に大統領権限で銃規制の法制化を施行しようとしている
が、銃器メーカーからの支援を得ている共和党が強く反対しており、苦戦している。
法制化に対する反対の声は市民の間にも多く、最近の世論調査では、殺傷能力の高い銃の販売禁止に53%の人が反対している。 我々日本人からすると信じ難いことであるが、憲法が銃を保有する権限を認めていることや、最近のテロ事件などによって、自衛のために銃を保有する人が増えている点を考えると、法制化の難しさが分かろうというものである。
とはいっても、この3年間における銃による事件の件数が、4人以上の死傷者が発生した件数だけで、2013年は363件、14年は336件、15年は355件
となっていることは、いくら銃大国・米国と言えども異常であることは明らかだ。 この件数は、1日に1件の割合で全米のどこかで銃による事件が起きていることを示しており、恐ろしい数値である。
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銃規制に反対する人々。 彼らはこれから先、
国家による弾圧が起きることを恐れているのだろうか.
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米国では、犯罪歴がないと比較的容易に銃を購入することが出来るのが現状であるが、なんと言っても驚かされるのは、既に出回っている銃の数が3億丁に達しているという事実である。 その数は子供を除くと一人に1丁を上回っていることになるが、それでもなお銃の販売数は増え続けており
、メーカーや販売会社によっては、7年間で株価が10倍になっている企業もあるぐらいだ。
銃器メーカーにとって、銃の乱射事件やテロが追い風となっているのだから、今の米国社会が異常であることは確かだ。 カリフォルニア州の教職員退職年金基金が、銃メーカーを傘下に持つサーベラス・キャピタル・マネジメント
社に巨額の資金を出資しているのにも驚かされる。
子供や教職員が多数犠牲になったコネティカット州の銃乱射事件のあと、一時、サーベラス社を非難していたが、いつの間にか大儲けの前に沈黙してしまっているのだからあきれる。
ローマ法王フランシスコも昨年6月に、銃メーカーや年金基金などの投資家に対して「偽善者」と厳しく批判している。
銃に関する悲惨な事件は自然災害と同様、米国という国家が長年にわたって蓄積してきたカルマ
がもたらしているものだけに、増えることはあっても減ることはない。 第2次世界大戦以来、世界各地での戦闘行為で多くの人々に苦しみを与え続けて来たカルマは、そう簡単に消せるものではないからだ。
どうやらオバマ大統領の願いもむなしく、今年も銃乱射事件は沈静化することはなさそうである。
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銃販売店は銃乱射事件やテロが起きるたびに顧客数が増えている
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