「米国を襲う大型暴風雪」で予想した通り、東海岸北部一帯では記録的な大雪と寒波に見舞われ、一部では降り始めからの雪が1メートルを越すところもあり、首都ワシントンやニューヨーク州など11の州で非常事態宣言が発令。 空の便は1万2000便が欠航、道路も各地で大混乱。 寒さによる心臓停止などにより少なくとも28人が死亡する事態となっている。
ニューヨークでは降雪量が68センチに達し、1860年に統計を取り始めて以来2番目の大雪で除雪が進められているが、都市機能がほぼ停止状態となっており、回復には1週間ほどかかりそうだ。 住宅街では車が雪に埋もれ、道行く人々も雪道を寒そうに歩いている。
ワシントンDCも56センチの大雪でホワイトハウスや国務省は閉鎖。 空港も数千便が欠航となり、まだしばらく閉鎖状態が続くことになりそうである。 ワシントンDCの歴代の降雪記録を見ると、最大で1922年1月の30センチ弱となっているので、今回の56センチはその倍となる記録的な大雪であったことになる。
大雪と寒波、強風に加え、ニュージャージー州ではさらに高潮による洪水が発生している。 まさに「泣き面(つら)に蜂」で、積雪と寒波に覆われた街を2・7メートルの高さの洪水が襲い、家々は浸水、大きな氷の塊と一緒にたくさんの車が河と化した道路を流れている。
寒波と大雪は、中国や香港、台湾、韓国など東アジア各地でも広がっている。 中国南部の広東省広州市では半世紀ぶりの降雪。 また比較的温暖な香港でも24日には都市部で3℃、山岳地帯はマイナス5℃となり、59年ぶりの寒波で観光客など85人が低体温症で入院する事態が発生
している。
亜熱帯に属する台湾でも北部の新竹で60年ぶりの大雪。 また、台湾メディアは急激な寒さで60人が死亡したと伝えている。 韓国各地も同様な大雪と寒波に見舞われている。日本もまた、昨日は九州南部の鹿児島でも降雪、福岡では一昨日からの雪で、30センチ以上積雪しており、今日
(25日)もまだ午後2時半の時点で降雪が続いている。 奄美大島の降雪はなんと1901年以来、115年ぶり。
沖縄は雪こそ降らなかったが、名護市の無人観測装置でみぞれを観測。 那覇市の今朝6時の気温が6・3℃となっており、あとわずか0・4℃で100年ぶりの寒さになるところまで近づいていた。
海水温の低下で仮死状態になった小魚が海岸に打ち上げている程だからから、亜熱帯の海で育った沖縄の魚たちもさぞかし驚いた
ことだろう。
沖縄では、本島並みの暖房設備が用意されていない店舗や家庭もあるだけに、
中には魚同様、厳しい朝を迎えた家もあったのではなかろうか。
昨日から本日にかけて電気販売店ではストーブの売り切れ店が続出しているようである。
以前から、常識では考えられない異常気候の到来を警告し続けて来たが、緊急時の食料や飲料水の確保、また停電時の暖房の確保などは決して怠らぬよう、ご注意頂きたい。
寒さで水道管の凍結が起きたら、マンションなどの高層住宅では飲み水だけでなく、洗い物やトイレの水に困窮することになる。
こうした異常事態は地震や火山だけで起きるものでないことを、しっかり認識しておいて頂きたい。 読者からのメールを読むと、今回の寒波や積雪で、日常生活に支障を来たしたケースが出ているようである。