要因は、中国経済の減速と原油価格の下落
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ウォール街の取引業者たちにも次第に動揺と不安が広がり始めたようだ
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年初明けの中国株の急落から始まった今年の世界的な株価低迷。 連日大幅な上げ下げが続く中、その後も株価の下落傾向は続き、昨年8月の上海市場の暴落時につけた価格をさらに下回り始めた。
世界の市場関係者に動揺が走ったのは、中国の代表的な株価指数である上海総合指数が5000ポイント台から一気に3000ポイントへと、40%も急落した昨年の夏。その後4ヶ月、上海株は中国政府が行った大株主の株売却を禁じる等の信じ難い政策の発動で、どうにか3600台にまで戻していた。
そうした動きに安心感が広がり年末に向けて、世界的に株価は戻りに転じていた。 ところが年明けから再び急落が始まった上海株が、昨日には8月の最低株価をさらに下回る2900ポイントまで下落(最高値の56%)。 それを受けて東京、ヨーロッパ、米国と揃って大幅な下げとなった。 日本株は17147円(最高値の81%)、米国は15988円、(87%)、ドイツは9545マルク(77%)。
世界の株式市場の下げの要因は、上海株の下落に代表される中国経済の減速懸念だけでなく、原油の下落がもう一つの大きな要因となっている。 2011年代から3年間ほど1バーレルが100ドル台を超えていた原油価格は2014年から一気に下落しはじめ、昨年末には30ドル台となり、下落率はなんと60%を越すところとなった。
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原油価格の下落は経済面だけでなく、政治的混乱をも招くことになりそうだ。
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ところが今月に入ってから、中国株の下落とまるで歩調を合わせるかのように更なる下落が始まり、昨日のニューヨークのWTIと呼ばれる先物の原油価格はとうとう30ドルを割り込み29ドル台に突入、12年2ヶ月ぶりの安値となった。 2008年6月の134ドルに比べると下落率はなんと80%近くに達している。 下落の主要な要因は中国の景気減速と、間もなく始まるイランの経済制裁解除を受けての石油輸出による、原油在庫量の増大である。
寒い冬場の灯油下落は世界中の消費者にとって天からの恵みのように思われるだろうが、ぬか喜びしているわけにはいかないのが現状だ。 原油下落の急落がもたらすマイナス要因は政治を巡る世界情勢にも大きな影響を及ぼす可能性が大で、米ソ間の対立からハルマゲドンへの発火剤ともなりかねないからである。
その点はまた後日記すことにするが、不安な点は、世界的な株価急落の要因となっている中国株と原油価格は、これから先も更なる下落が予想されることである。 上海株は2000ポイントまで下げが予想され、原油価格もまた20ドル割れすら取りざたされているのだ。 これから先、上げ下げはあるだろうが、中国株と原油価格の短期間での下落が一気に進むようなら、世界の株式市場の混乱は一段と増すことになりそうである。
あとは、「闇の勢力」が事態の進展を急いでいるか、今しばらく時間を稼ごうとしているかにかかっている。 いずれにしろ、今の株式市場は素人が手を出す時でないことは確かだ。
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