命をかけての川渡り
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ボランティアが張ったロープを頼りに、互いに助け合いながら濁流の中を渡る難民たち
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17日から難民問題を協議するEU(欧州連合)の首脳会議が始まっている。 2日間にわたる会議では、ギリシャ入りしたすべての難民や移民をトルコに送還する一方、保護されるべきシリア難民を「第3国定住」の形でEU各国に割り振るという、トルコが提案した難民救済案を中心に、論議されている。
「難民問題、最後の鍵を握るトルコ」で記したように、この救済案には様々な問題点があるため、かなり厳しい論議が続けられているものと思われるが、日本時間の明日未明には、その結果が明らかにされるので、また改めて記すことにする。 今回はギリシャで行き場を失った4万5000人の難民たちのなんとも厳しい惨状を、写真で見て頂こうと思っている。
ギリシャ北部の町イドメニにたどり着いた難民たちは、EUの首脳会議の決定次第で、トルコに送還されることになるかもしれない不安から、会議が終わる前になんとしてもマケドニアに入ろうと、連日の雨で濁流と化した川を命がけで渡ろうとしている。 既に命を落とした難民もおるようだが、ボランティアの支援を受けて張られた一本のロープを頼りに、子供を背負って渡る人々の姿はなんとも痛ましい。
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年寄りや子供連れが渡るのは命がけだ
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この写真を見れば、老人や子供にとって川の流れがきついことが分かる
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なんと言っても心が痛むのは、そうした人々の中に年老いた女性や幼い乳飲み子が含まれていることである。 イドメニの町で行き場を失っている1万人を超える難民たちの3分の2は、女性や子供たちとなっている。 そうした家族を置き去りには出来ないので、多くの難民が家族で命がけの川渡りとなっているのだ。
下の写真を見てもらえれば分かるように、1ヶ月以上にわたってテント暮らしを続けている人々の様子もまた悲惨だ。 降り続く雨でテント村は水浸し、夜半の気温は10度を下回るようなので、寒さの中、夜を過ごすのも大変だ。 マキを焚き暖を取る時間は短く、あとは家族が寄り添って暖を取るしか手はない。
そのため、体力のない子供たちの間に肺炎や感染症が広がっており、事態は深刻化している。 シリアのラッカから来たメリアム・アウバスさんの末娘のライアンちゃん(4才)は40度を越す熱に悩まされ続け、解熱剤も効かない状態が続いている。 危険なためボランティアによって遠く離れた町の病院に運ばれたようだが、こんな状況を見ていると、たまらない気持ちになってくる。
さてEU首脳会議の行方はどうなることか!
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水浸しの中に張られたテント
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妹を守るのにお姉チャンは大変だ
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一時の暖にくつろぐ親子
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40度の高熱に苦しみ続けるライアンちゃん。 うつろな目が高熱を示している。
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もしも、この可愛い子があなたの子供や孫だったらどうします。 遠く離れた
中東のことと考えていたら、いつ明日は我が身となるか分からりませんよ。
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追記
昨日お伝えしましたように、PERU学校支援の振り込みの締め切りを
、本日18日(金)までとさせて頂きますので、ご了承下さい。
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