58人が死亡。負傷者
およそ500人
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銃乱射事件の現場となったホテルの前で発射場所を確認する警察官
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世の中、日に日に騒然としてきた感がする。 混乱の中、イラクのクルド族の自治政府やスペインのカタルーニャ州では独立の賛否を問う住民投票が行われる一方、米国では銃の乱射による史上最悪の無差別殺人事件が発生。 人心の動揺が一段と増してきている。
住民投票も銃乱射事件も、我が国のマスコミで大きく取り上げられているので、読者におかれては既にご承知ことと思うが、これから先の世界の混乱を暗示する出来事だけに、今回は掲載を予定していた記事を後日に回して、急ぎ米国の銃乱射事件とカタルーニャ州の住民投票について記すことにした。 今日もまた食事は夜までお預けだ。
先ずは、9月1日日曜日の夜の10時ごろ、米国西部ネバダ州のギャンブラー都市として有名な、ラスベガスで起きた銃乱射事件である。 被害にあったのは、ホテルから
400メートルほど離れた野外のコンサートに参加していた人々。 向いのホテルの32階の部屋から、ライフル銃が乱射され58人が死亡、負傷者の数は500人近くに達している。
コンサート会場で演奏に酔っていた人々は、多少の距離はあったものの、遮るものがない頭上から銃が乱射されたのだからたまったものではない。 あまりにも死者と負傷者の数が多いため、8つあるラスベガスの病院は満杯状態、医師は徹夜の治療となった。 今もなお死者の数は増え続けており、アメリカ史上最悪の乱射事件となったようである。
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ホテルから道路を挟んで斜め向かいにあるホテルの32階から乱射。
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コンサート会場から逃げ惑う人々
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銃社会の米国では、年に3万6000人が銃で死亡
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あらゆる種類の銃が展示された銃販売ショップ
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米国の銃乱射事件といえば、2007年のバージニア州の大学で学生32人が死亡した事件や、2012年にコネティカット州の小学校で幼い子供たちが26人死亡した事件、さらには昨年、2016年にフロリダ州のナイトクラブで顧客など49人が死亡した事件が思い出される。
米国では銃の所持が自由であるため、銃の産業界は巨大化して来ており、その結果、死亡者の数は年間3万
6000人にのぼっている。 その多くは事故や自殺であるが、殺人もかなりの数になっているようである。 こうした銃乱射事件が起きるたびに伝えられる、途方もない銃による死者数には強い衝撃を受けるが、米国の国民は慣らされてしまっているのだろうか。
勿論、銃規制を行うべきだという人々もいることは確かだが、議会において法案が審議されるまでには至っていないのが実情だ。 現に今回の銃乱射事件を受け、国民向けのメッセージを発信したトランプ大統領も、犠牲者を悼んだ後、国民の持つ銃所有権を規制する考えは全くない、絶対にないと強調していた。
我々には驚きの発言であるが、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)から、大統領選挙で30億円という多額の支援を受けていることを考えると、至極当然の発言というわけである。
今回の実行犯は64歳の年金受給者で、アパートを経営しており経済的には比較的恵まれた人物で、特に特定の宗教団体や政治団体、白人至上主義団体などには全く関わっていないようなので、今回の無差別殺人の動機はつかめていないようである。
こうした行為は私がかねてから伝えてきたように、人間の心の「素(す)」が出て来ていることと、悪霊の憑依が頻発していることを考えれば、これから先も、ますますその頻度と残虐性を増して来る可能性は大である。 こうしたことが覇権国家、米国で起きていることは米国の積み重ねてきたカルマの大きさを示している。
混乱を増す、イラクとスペインの独立問題
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スペイン・カタルーニャ州の独立の賛否を問う投票で、警官と対峙する市民
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読者もご承知の通り、イラクではクルド族が独立を目指す投票を実施、またスペインではカタルーニャ州がスペインから独立を目指す投票が行われ、ともに90%近い賛成票を獲得するところとなった。 こうした独立を目指す気運は独立される国にとっては、決して喜ばしいことではないだけに、阻止する動きに出ることになる。
その結果、投票が混乱をまき散らすところとなるのは必然。 同時に、人々の意見を二分するところとなり、憎しみの悪しき感情を拡散するところともなる。 クルド族の独立は、イラク政府だけでなく、周辺国のトルコやイランにとって決して喜ばしいことではないだけに、クルド自治政府に対して制裁を実施するところとなった。
その結果、クルド人の生活は厳しくなり、国外への出国も制限されるところとなる。 当然、反対する国々との間に軋轢が生じ、中東の地にさらなる混乱をもたらすことにもなる。 一方で、イスラエルのように、中東諸国の混乱と分裂を喜ぶ国もあり、陰から独立を支援するところとなる。
スペインの独立問題もまた大変だ。 現に独立の賛否を問う投票が行われた2日には、投票そのものを憲法違反だとする政府が投票を阻止するために、警察官を出動させて投票箱を持ち去るなどの実力行使に出た。 その結果、独立賛成派の人々と警察官の間に争いが起き、840人を上回る負傷者が病院で手当てを受け、うち2人が重傷を負う事態となった。
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スペインのカタルーニャ州では米国の銃乱射事件の
映像と間違えるような光景が展開された。
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警察官は予定されていた投票所のドアをハンマーで壊し、投票箱を持ちだす。 それを阻止しようとする人々は押し倒され、引きずられ、蹴とばされるところとなり、先進国では滅多に目にすることのない光景が見られるところなった。
そうした光景を映した映像がインターネットを通じて発信されため、国の内外からスペイン政府に対して、かなり厳しい批判が出るいる。 もはやカタルーニャ州の独立問題は国際的レベルの仲介者を必要とするところとなってしまったようだが、どこの国も介入には消極的で、EU(欧州連合)委員会も、これはスペインの内政問題であると仲介することを拒否しており、これから先、事態の鎮静化は難しそうである。
欧州では、イギリスが今もなお、EUからの独立交渉をめぐって国論が2分されており、改めて独立を問う投票の実施を求める声が上がっているほどである。 こうした動きはスペインやイギリスだけでなく、EU諸国全体に広がる可能性があるだけに、これから先、EUの混乱は避けては通れそうもなさそうである。 もはや世界の混乱は広がるばかりだ。
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警察官に倒され、引きずられる独立賛成派の市民
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