日本時間の22日未明、国連の緊急特別総会が開かれ、「米国のエルサレムの首都認定は無効で、撤回すべきである」とする決議案が賛成多数で採決された。 この決議には拘束力はないものの、米国がエルサレムをイスラエルの首都としたことを撤回すべきであるとする強いメッセージが込められており、米国はこれから先、世界各国から強い批判にさらされ続けることになりそうである。
今回の特別総会を前に、20日にはトランプ大統領は
「米国の決議に反対票を投じる国々には、財政支援を中止することもあり得る、そうなれば米国の財政支出が削減されることになる」
と財政支援をしている国々を念頭に圧力をかける発言をしている。
そのため、米国とイスラエルの他に、パナマやパラグアイ、フィリピン、メキシコ、ハンガリーなど7カ国が反対票を投じ、カナダなど35カ国が棄権するところとなった。 しかし、128カ国の絶対的多数の賛成によって決議案が採決されたことによって、逆に米国に対する反発が強まる結果となってしまった。 採決の瞬間、議場から割れるような大きな拍手がわきあがったことがそれを示している。
こうして一歩一歩、覇権国家・米国はその地位と力を失い、衰退へと向かっていくことになるのである。 米国民だけでなく世界中の人々がそう遠からずのうちに、トランプ大統領が決断した今回のエルサレムの首都認定が、米国離れを伴う米国の衰退化への大きな一歩であったことを理解することになるに違いない。
その先触れとなったのが、トランプ大統領の財政支出国に対する圧力発言に対して憤りの声をあげたのトルコである。 エルドアン大統領は世界に向けて早々に、「一握りのカネのために買収されることのないように」
と呼びかけたのだ。 これをもって、トルコと米国との関係は、もはや修復不可能な状態となったと考えてよさそうである。
スペイン、カタルーニャ州選挙で独立派勝利
「スペイン・カタルーニャ州独立を宣言」でお伝えしたように、10月にプチデモン州首相はカタルーニャ州議会において独立宣言をした。 これに対して中央政府のラホイ首相は独立宣言を無効として、プチデモン州首相を訴追するなどし、州議会選挙のやり直しを命じ、21日に投票が行われることとなった。
事前の予想では、賛成派、反対派がきっ抗しており、その結果がどうなるか、ヨーロッパ諸国をはじめ世界が注目していた。 今朝のニュースは、スペインTVが特別番組で、投票率は80%を超えて過去最高となる見通しで、独立支持派が過半数を獲得したことは確実になったと報じたことを伝えていた。
もし、スペインTVの報道通りとなると、独立を求める動きは更に強くなり、この動きを阻止しようとする中央政府にとって大きな打撃となることは必至だけに、スペインの混乱は長期化することになりそうである。
問題はスペインの経済の落ち込みである。 カタルーニャ州はスペインで最大の経済力を持つ州であるが、独立宣言によって3000社以上の会社が本社を州外に移した他に、観光客も落ち込んでいる。 こうした事態は当事者のカタルーニャ州だけでなく、スペイン全体の経済の落ち込みに拍車をかけることになる可能性があり、すでに財政状況が悪化しているスペイン政府にとって大きな懸念材料となりそうである。
また、今回の選挙結果で独立の機運が強まると、ヨーロッパ各国の独立志向が強い国々にも影響を与え、分離独立を求める動きを活発化させることになり、ヨーロッパ全体にも影響を与える可能性がありそうだ。 さもなくとも英国の独立で揺れているEU(欧州連合)だけに、これから先、スペインの動きとEU各国の動きには、一段と注意を払っておく必要がありそうである。
追記
昼のニュースでは、独立支持派の3政党が135議席のうち、70議席の過半数を獲得することになったようである。 一方、独立反対派は57議席に留まり、ラホイ首相の国民党は3議席と大幅に議席数を落としたようである。
この結果は、ラホイ首相の今後の政権運営にも大きく影響を及ぼすことになりそうで、スペインの混乱は必至である。 どうやら、私がかねてからお伝えして来ているように、スペインという国が抱えたマヤ族やインカ族に対する非道な虐待行為に対するカルマの刈り取りが、これから始まりそうである。
カタルーニャ州議会選挙で独立支持派が過半数の議席を獲得する見通しとなったことを受けて、中央政府によってカタルーニャ州の州首相を解任されたプチデモン氏は22日、滞在先のベルギーで演説を行い、「カタルーニャは強権的なスペイン政府に勝った」と述べ、勝利宣言をした。
そのうえで、「過去にない記録的な投票率で、だれも文句の言えない結果だ。ラホイ首相やヨーロッパはこの結果を受け止めるべきだ」と強調し、スペイン政府に対して国家への反逆行為の疑いなどで拘束されている州政府幹部らを解放するよう求めたほか、州の自治権を停止した措置を取り消すよう求めた。