お粗末な単独犯テロの背景にあるものは?
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マンハッタンのテロは、犯人が一番の負傷者となるというお粗末なテロとなった。
その点に今回のテロの重要な背景が隠されているようだ。 |
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米国時間の昨日(11日)早朝、ニューヨークで爆発テロが発生。 場所は地下鉄やバスの乗り入れで混雑するターミナル付近の地下通路で、負傷者は犯行者を含めて3人。 テロとしては最小規模のものであったが、混雑する時間
帯であったため、一時的ながら交通手段がストップし、大規模な避難が行われるなどターミナルは騒然となった。
マンハッタンでは今年10月に自転車専用レーンに車が突っ込み、8人が死亡したテロが発生したばかりである。 今回のテロが小規模ですんだのは、バングラデシュ出身の犯行者、アカエド・ウラー27歳が身に着けていた手製の爆発物が完成度が非常に低いもので、本人が一番負傷するという
、お粗末な結果になったためであったようだ。
問題は、今回のテロを起こしたウラー容疑者の動機である。 可能性としてあり得るのは、トランプ大統領によるエルサレムを首都として認めたことに対する反発である。 現時点ではマスコミは動機については一切触れていないが、時が時だけにその可能性を否定することは出来ないように思われる。
私がその可能性を認めるのは、タイミングが合致していることと同時に、犯行者が2011年にバングラデシュから米国に移住し、既に永住権を持っている
ごく一般の青年の単独犯行であったこと。 さらに自身で製造したと思われる爆発物があまりに素人ぽいものであったという点である。
思うに、犯行者は何かに強い怒りを感じて、たいして知識もないまま急いで爆発物を作り、犯行に及んだのではないだろうか。 だとすると、その恨みの先がエルサレムを首都として認めたトランプ大統領の決断に向けられた可能性はありそうだ。
もしも、今回の犯行がトランプ大統領の発言と全く関係がないものだったとしても、 これから先、パレスチナをないがしろにした今回の大統領の決断
が、米国各地でのテロ行為を生み出す要因となることは十分に考えられることである。
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プーチン大統領、絶妙のタイミングで中東を訪問
時を同じくした、ロシアのプーチン大統領が突如シリアを訪問し、シリアからロシア部隊を引き揚げることを発表。 更にその足で、エジプ
トとトルコを訪問し首脳会談を実施。 エジプトとトルコ両国は
、米国のエルサレム首都承認によって動き始めた中東情勢のカギを握る最重要国であり、特にエジプトはイスラエルと国交を交わしている貴重な国だけに、プーチン大統領がタイミングを逃さず動き出したことには重要な意味があることは確かである。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は一昨日にはフランスを訪問しマクロン大統領と会談。 しかし、両者の意見は分かれたまま。 さらに昨日はEU(欧州連合)本部を訪問し、EUの外相
会議でスピーチをしている。 スピーチの内容は、EU並びにEU参加各国が米国にならって、エルサレムを首都として認め、大使館をテルアビブから急ぎエルサレムに移すことの要請であった。
しかし、各国外相の姿勢は
フランスの大統領と同様に冷淡で、EUの理事長はそれは受け入れることが出来ないことを、はっきり表明している。 また、米国のペンス副大統領が、今回の米国の決定についての補足説明のため、パレスチナやヨルダンなど中東諸国を訪問することになっていたが、パレスチナのアッパス議長は会談を拒否する声明を発表している。
どうやら、トランプ大統領とネタニヤフ首相が考えるほど、今回のエルサレム問題に関する世界各国の反応は甘いものではなかったようだ。
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シリアにあるロシア空軍基地で自国の兵士を前に、部隊の一部撤退を発表するプーチン大統領
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シリアのアサド大統領と対談
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エジプトのシーシー大統領と会談
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トルコのエルドアン大統領と会談
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