9・11テロの因果応報がやって来た
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混乱するニューヨーク・マンハッタンの事故現場。 奇しくも9・11テロの現場のすぐ近くであった。
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今回は米国の悲惨なテロとおぞましい我が国の殺人事件に関する記事である。 私とて、こうした暗いニュースは出来ることなら書きたくはないのだが、あえて記載するのは、
日に日に悪化している「世情の不安」と「人心の乱れ」の実体を、読者に知っておいて頂くために、無視するわけにはいかないからである。
先ずは、10月31日午後3時ごろ(日本時1日午前4時ごろ)、米国はニューヨークのマンハッタンのハドソン川沿いの自転車専用道路に、車両が突っ込むという悲惨なテロ事件である。 目撃者の証言では、白いピックアップトラックが時速100キロを超す猛スピードで走行し、自転車と通行人を次々とはねた後スクールバスに衝突。 8人が死亡し、12人が重傷。
車から降りた犯人は駆け付けた警察官に腹部を撃たれて逮捕され、病院に入院。 死者8人のうち5人はアルゼンチン人
の男性、もう一人はベルギー人女性であったことが判明している。 また、警察関係者は、襲撃犯をサイフロ・サイポフ容疑者(29)と特定。 サイポフ容疑者はウズベキスタン出身でフロリダ州
のタンパに在住しており、ISに影響をうけた犯行であることは間違いないようだ。
ニューヨーク市長は「事件は卑劣なテロで、被害にあった人々は普通に暮らしていた一般市民なので、何が起きたのか分からない状態であった」と語っている。 それはそうだろう、自転車
専用道路を走っているところに、猛スピードの車に突っ込まれたのだから。
しかし、その場に居合わせた人々は一瞬テロではないかと思ったに違いない。 フランスのニースで起きた大型車両によるテロ事件やドイツ、フランスで同様な事件が何度も発生していたからである。
2001年9月11日のニューヨークの同時テロ以来16年が経過。 この事件をきっかけに始まったのがアフガン戦争でありイラク戦争であった。 こうして発生した中東の混乱はその後、リビア、シリア、イエメンへと広がり、罪なき多くの市民が犠牲者となり、何百万という人々が難民となって住む家を失い、国を離れている。
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救急車に乗せられる被害者 |
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こうしてブッシュ政権が自らの手で世界にまき散らしたテロが、16年の歳月を経て、今、米国に戻って来たのだ。 そして、その発生場所が同時テロ現場からわずかしか離れていないニューヨークのマンハッタンであったというのだから、まさに因果は巡るの例え通りというわけである。
既にお伝えしているように、IS(イスラム国)はシリアやイラクで拠点を失い劣勢に立たされているが、彼らが広めた過激的な思想は世界の隅々まで伝わっており、差別世界に対する不平や不満が蔓延する限り、彼らの考えに共感した人びとによる犯行が後を絶つことは絶望的となっている。 今回の実行犯の車両の中に
「ISは永遠に続く」 と記されたメモが残されていたことがそれを物語っている。
米国においては、8月12日、「欧米で悲惨な事件とテロ相次ぐ」で記載したように、バージニア州で一人の白人至上主義者の車が、反対派の人々の中に猛スピードで突っ込み、女性1人が死亡し19人が負傷
するテロ事件が発生している。
その後、「米国史上最悪の銃乱射事件発生」でお伝えしたように、9月1日には、西部ネバダ州のラスベガスで
前代未聞の銃乱射事件が発生。 野外のコンサートに参加していた58人が死亡し、負傷者の数は500人近くに達している。
わずか3ヶ月間で、これだけの悲惨な事件が発生していることは尋常ではない。 もはや米国はハリケーンや森林火災という自然災害に、テロが加わり、まさにカルマの刈り取りの真っただ中に突入したようである。
銃社会の米国では、銃の乱射事件を防ぐのは容易ではない。 さらに、今回の事件のように、武器を使用せず、レンタカーという身近な道具を使って、歩行者専用道路や自転車専用道路に突っ込まれては、もはや防ぎようがない。 欧米を中心に平和を維持して来ているかに見える国々においても、市民の不安と恐怖心は高まりはこれから先、悲惨なテロ行為は日に日に増加していくことになりそうである。 なんともはや、恐ろしい世の中になったものだ。
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スクールバスに衝突して大破した犯行車両。 いかにスピードを出していたが分かる。
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9人を殺害、遺体を冷凍庫に保管
恐ろしいのは米国だけではない。 我が国でも8月から10月にかけ、8人の女性と1人の男性が殺されるという前代未聞の恐ろしい殺人事件が発生している。 神奈川県座間市のアパートでクーラーボックスなどに入った9人の遺体が見つかった
今回の事件については、読者もご承知のことと思う。
逮捕された男は「8月22日に引っ越してきてから9人を殺した」と供述しているが、犯人は自殺願望をほのめかしている女性に対し、ツイッターを通じて「一緒にやりましょう」などと持ちかけ
て自分のアパートに呼び込み、犯行に及んだものとみられている。 被害者の一人である男性も、行方不明の知人を探していた際に部屋に招かれて殺害
されたようである。
犯行の動機はどうあれ、殺害した9人の遺体の頭部をクーラーボックスに入れたまま、2ヶ月間にわたって生活を続けていたということは信じられない
ことである。 同じアパートに住む住人が「8月末から部屋の前を通ると嫌な臭いがしていた」と証言しているぐらいだから、部屋の中の人間には相当強
い匂いが感じられていたはずである。 そんな部屋の中で寝起きし、食事をし、死体をバラバラにした浴室で風呂に入っていたとするなら、もはや人間ではない。
殺人事件や遺体放棄事件はこれまでにも数え切れないほど起きているが、今回のような奇怪でおぞましい殺人事件は聞いたことがない。 人間の素が出、憑依現象が多発している今日でなければ起きない事件である。 なんともはや恐ろしい世の中になったものである。
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