米国、今度は「イラン核合意」を反故へ
 

 


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2年前に合意したイラン核合意をアメリカ史上最悪の
合意だとして、認めない方針を発表するトランプ大統領。

 
 

選挙期間中、「イランとの核合意は様々な国が結んだ合意の中で最悪のものだ」と発言してきたトランプ大統領、とうとうここに来て2年前にイランやEU、イギリス、フランスなどと一緒に結んだ「イラン核合意」について、イランが違反行為を為しているとして制裁を議会にゆだね、それが為されなければ反故にする方針を発表、世界に衝撃が走った。

さっそく、イランのローハニ大統領が米国を強く非難する一方、EUやイギリス、フランス、ドイツの首脳も、「イラン核合意」は有効であり、これまで通り継続していくことを発表している。 それは、トランプ政権が既に協定違反行為が為されているという点について、当事国イランだけでなく、EUもイギリスもフランス、ドイツも認めていないからである。

そもそも「イラン核合意」はイランと欧米各国などが、13年間にわたって外交努力を重ねた末に合意に至ったものである。 その後、違反行為が明らかになっているわけでないのに、ここに来て、米国一国が勝手に違反行為があるので合意を反故にするというのはおかしなことである。 とても、まともな国の政府が為すべき行為ではない。  明らかに国際的常識を逸脱しているからである。

その点について、イランのローハニ大統領は次のように述べている。 「核合意はイランと米国の2国間の合意ではない」、 「多国間の合意や協定については、安全保障理事会の決議を通じて国連によって承認され、国際的な外交文書になったという経緯を忘れないでほしい」、「一国の大統領が単独でこのような文書を反故に出来るというのか」

まさに、ローハニ大統領の言う通りである。 イギリスとフランス、ドイツの3首脳が「合意を傷つけるこうした行為は慎重に進めるべきだ」と共同の非難声明を発表したのも、ローハニ大統領と同じ考えに基づいているはずである。 これから先、米国議会が制裁を科す可能性は低いとみられ、枠組みは当面維持されることになると思われるが、トランプ大統領は何故、世界から厳しい批判を受ける事を承知しながら、実現が難しい今回の措置を発表したのだろうか?

 
 

 
 


米国の大統領のとった行動は常軌を逸している、と反発するイランのローハニ大統領

 
 

実はここにもまた、前回「米国、ユネスコから脱退」で記したのと同じ背景があったのだ。 それは、まさにイスラエル擁護のためである。 イスラエルにとってイランは最も危険な国と見なされており、特にミサイルによる核攻撃が最大の脅威となっている。 

「イラン核合意 」によって、遠心分離機を10年間で1万9000基から6100基へ、またウランの濃縮度を15年間、3.67%に抑えるなど、イランの核開発はかなり抑えられてはいるものの、ミサイル開発については特別の規制はなされていないので、イスラエルは核攻撃の不安をぬぐえないでいるのだ。 イランに対するこうした恐怖心は、イスラエルのトラウマと化しており、数十年にわたって続いているのである。

それゆえ、ユダヤ教徒の娘婿を家族に持ち、親イスラエル色が特に強いトランプ大統領がイスラエルのために、今回の措置に踏み切ったというわけである。 イスラエルのネタニヤフ首相が 早々にトランプ大統領の発表を「勇気ある決断だ」と高く評価したのは、至極当然のことである。

トランプ政権が就任後わずか10カ月足らずで、既に国際協定を3つ破棄したことは、前回の「米国、ユネスコから脱退」で記した通りであるが、それに加えての今回の「イラン核合意」の反故に向けての発言は、 国際社会になんとも言いようのない「むなしさ」や「虚脱感」を発したことは間違いない。 13年間にわたる協議の末、ようやく達成した多国間協定を、一国の大統領の考えで反故にされてしまうことになろうとしているのだから。

ここに来て、次々と裏社会の「素」が出て来ていることを実感させられている昨今であるが、その結果、世界を牛耳るユダヤ資本の恐ろしい実体を 改めて見せつけられたようで、おぞましくなってくる。 前回ご案内した、トランプ大統領が自国に恥をかかせても、擁護しようとしているイスラエルの実体についてのエピソードは、 後日改めて掲載するつもりである。

 
 

 
 


トランプ大統領の発表を、「勇気ある決断」 だと賛辞するネタニヤフ首相

 
 

 




 

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