解放されたISの首都ラッカの惨状
 

 


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1000人を超す人命が消え、
           廃墟と化した街・ラッカ

 
 

 
 


シリアのラッカをISから奪回したクルド勢力。 
この喜びもつかの間、再び紛争の地となる可能性大。

 
 

3年前、中東の混乱に乗じて登場した過激派組織IS(イスラム国)は、国家設立を宣言し、シリアとイラクにまたがる広大な地域を一時支配下に置いてきた。   しかし、今年7月、ISの最大拠点であったイラク北部のモスルをイラク軍が奪回。 そ の後、焦点はISが首都と位置付けたシリアのラッカに移っていた。 そして6月から米国と有志連合の支援を受けたクルド人部隊・シリア民主軍が、数日前にラッカを奪回、解放を正式に宣言するところとなった。

これをもって、シリアからイラクにまたがったイスラム国家は事実上完全に崩壊したことになった。 しかし、これで世界からISの脅威がなくなったわけではない。  ISの過激で極端な思想はインターネットを通じて拡散し、ヨーロッパやアフリカ、アジアなど世界各地で悲惨なテロは発生し続けており、こうした状況はこれから 止むことなく、むしろその度合いは増すことになりそうである。

こうした悪の存在・ISが3年ほど前に、突如としてシリアに登場した経緯については、読者はすでにご存じのはずだ。  IS誕生の裏にはイスラエルがおり、米国や英国の一部の組織と共に、軍資金や武器の供与をして来ていたのである。 その米国がトランプ政権の誕生後、有志連合の先頭に立って、クルド勢力を支援してラッカ奪回に向かったのだからお笑い草だ。

今回のラッカ奪回に際し米軍を中心とする有志連合の空爆で、亡くなった民間人は米国の発表では700人ほどとなっているが、民間団体の計算では、ゆうに1000人を超している ようである。  なんといっても衝撃的なのは破壊されたラッカ市内の惨状である。 添付した写真を見て頂ければ、それがどれほどのものか、もはや容易に再建が出来るような状態でないことがお分かりになるはずだ。 

実は再建どころか、一歩間違うと新たな戦闘行為が再開される可能性すらあるのだ。 それは今回奪回作戦の中心となったクルド軍が、ラッカを自国の領土としようとしている一方、シリアやトルコが猛反発し、軍部を向ける可能性が強いからだ。 カルマの刈り取りに入っている今は、一端発生した争いは、このように止むことなく続いていくことになるのだ。

 
 

 
 


今のシリア政府に瓦解しつくしたこのラッカを再建する力はない。

 

 
 

 
 

 

 
 

家も畑も焼け、人影が消えたカリフォルニアの街
 

 
 

 
 


今もなお延焼し続けているカリフォルニアの森林火災。その面積は東京23区の2倍を超えている。
 

 
 

 

 
 

 


全てが灰と化した高級住宅街。 その悲惨な姿はラッカやモスルの姿を彷彿させる。

 

湾岸戦争から始まって、アフガン戦争、イラク戦争と中東諸国に紛争と混乱をもたらし、罪なき多くの市民の命を奪い、何百万人という難民を生み出した張本人が米国であることは、改めて言うまでもないことであるが、 今その国は自然災害という形で因果応報に遭遇している。

最大強度5を誇る3つのハリケーンと、これまでに経験のない巨大森林火災。 カリフォルニア州北部のソノマ郡、ナパ郡を襲った火災は「原野火災 」と呼ばれるように、森林だけでなく人の住む街並みをなめるように焼く尽くしている。

その悲惨な状況は既にお伝えして来ているが、瓦礫と化した街の姿はイラクのアレッポやシリアのラッカの悲惨な状況を彷彿させる。 今回掲載したラッカとカリフォルニアの惨状は、米国PBSテレビ の同じ番組の中で放映されたものである。 なんとも奇妙なことではないか。 二つの戦災と災害の間に因縁因果を感じるのは私だけだろうか。

焼け焦げた住宅街からは人影が消え、リビングの椅子やベッドはフレームだけが残っている。 溶けた緑色のワインボトルがくっついて塊となり、この地一帯が高級ワイン のメッカであったことを見せている。

8日夜に発生した火災は16日が経過した今もなお延焼し続けており、8000棟が跡形もなく焼失し、一部焼失を加えると10,000棟 が被害にあっている。 また死者の数は43名、行方不明者が今もなお50名ほどいるようなので、鎮火後の発表される死者数はさらに増えることになりそうである。 

我が国では、台風21号による被害が次第に明らかとなっているが、米国の「ハリケーン」や「原野火災」の被災状況と比べると、不幸中の幸いであったことが、分かろうというものである。。

 
 

 
 


街の再建もワイン産地の復興も容易ではなさそうだ。

 
 

 




 

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