60万人を超えるイスラム教徒ロヒンギャの人々がミャンマーから隣国バングラデシュに避難している問題で、両国は23日、2か月以内に帰還の手続きを開始することで合意した。
しかし、帰還の期限など最終的な合意にはいきついておらず、先行きは、はなはだ不透明だ。
なんといっても気になる一番の問題は、今回の大量避難の要因となったミャンマー政府軍や治安部隊、地元の自警団などによるロヒンギャ族への迫害行為について、ミャンマー政府は今でも全面的に否定しているこ点である。 バングラデシュへの避難民の多くが、家を焼かれたことや非難の途中で地雷や銃撃によって、家族が死傷したことを語っている事実は、ミャンマー政府の言い分が通用しない事を示している。
先のASEM(アジア欧州会議)でもミャンマー政府に対して、ただちにあらゆる暴力行為をやめ、人道支援が完全に行き届く事を保証する必要があると強調している。 ロヒンギャの避難民の帰国とその後の生活の安定のために、日本やEU諸国、米国など各国がそれぞれ30億円を上回る支援を約束しているが、肝心な点は、ミャンマー政府や軍部、それにミャンマー国民自身がどれだけ心を開いてロヒンギャの人々を受け入れるかである。
しかし、今もなおミャンマー政府が残虐な民族浄化的行為を否定し続けていることは、問題解決が容易でないことを物語っており、ロヒンギャ掃討作戦に参加した治安部隊や自警団が手のひらを返すように難民の帰還を受け入れをする事は、ありそうにない。
それだけに、国連を中心とした国際社会による支援と監視の目は絶対的に不可欠である。 現に、避難民の一部は生活の安定が保証されない限り、今の段階で帰還することはないと断言している。 今回の問題が、人類史上まれな人道危機だとされているのは、まさに「民族浄化」的行為であったからである。
宇宙からの「聖なるエネルギー」照射によって、「素」が出て来ているのは個人だけでななく、民族も同様、また国家も同様、宗教も同様である。 中東における宗派間対立がその典型的的な例である。 これから先、さまざまな面でこうした問題が表面化してくることは避けれなので、世の混乱は覚悟しておく必要がありそうだ。