山火事とトランプ大統領のエルサレム発言で始まった今週は、とうとう週末の今日も同じ二つのニュースで締めくくるところとなった
。 17年間およそ3千回にわたって記事を書き続けてきたが、こんなことは始めてである。 どうやら、
一段と世情が厳しくなって来たことを示しているようである。
10月に発生したカリフォルニア州の史上最大と言われた黙示録的な山火事の後、わずか2ヶ月足らずで発生した南カリフォルニアの大規模な山火事は、その後、
4日が経過した今もなお一向に止む気配がなく、さらに延焼箇所を広げている。
前回と同様、山火事とはいうものの、風速20〜30メートルの強風にあおられて市街地を襲っている今回の山火事もまた、アパートや住宅など200棟を超す建物を破壊、
焼け跡からは一人の女性の遺体が見つかっており、焼失面積は500平方キロメートルと、その広さは東京23区分に達している。 もはや山火事の領域を完全に越してきており、「森林+住宅」火災である。
今回はまだ焼失した家屋は200棟程度だが、10月の罹災ではその10倍の2000棟が焼失している。 我が国では巨大地震の発生時でもなければ考えられない規模である。 今回の焼失規模がどこまで広がるか確かなことは分からないが、異常乾燥と高温化、強風の増大傾向が収まらない限り、これから先も山火事のニュースは無くなることはなさそうである。
ロスアンゼルスを望む丘を走る、全米で最も交通量が多い405号線は火に包まれ、大量の車がオレンジ色の火の中をくぐり抜けるような状態で走り抜けている。 そうした状況下、一部の地域は14キロにわたって閉鎖されてしまったため、ABCニュースは悪夢の様な交通渋滞が発生している事を伝えている。
今回の山火事の中心となっているカリフォルニア州南部に位置するベンチュラ群やサンバラニード群一帯は1961年の大火災以降60年近く山火事の発生は起きておらず、住民からは安全地帯とみなされて来ていた。
それだけに極端に雨が無い天気や高温、強風によって発生した今回の火災は、地元の人々にとって驚きであり信じ難い災難であったようだ。
どうやら、最近の自然災害は従来の常識を無視して発生し始めているようである。 長い間、カリフォルニアでは冬は雨の多いシーズンと考えられてきたが、もはや
「山火事シーズン」と言う言葉は冬場を含めて、一年中通用するところとなってしまったようだ。 つまり、1月から12月まで、いつでも今回のような大規模な山火事が発生しうる時代になった
というわけだ。