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米国とカナダの山火事による大気汚染図 (クリックで拡大)
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北米大陸の山火事の煙は西風に乗って大西洋を渡りヨーロッパへ (クリックで拡大)
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世界各地で発生している乾燥化と山火事。 中でも米国カリフォルニア州一帯の厳しい状況についてはこれまでに何度もお伝えしてきたが、今回は同じ北米大陸でも更に北に位置するカナダの山火事のニュースである。
カナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州では春から夏場にかけ記録的な被害が広がっており、今もなお450カ所で延焼中で、今年に入り延焼した面積は61万2000ヘクタール。 なんと東京都の3倍ほどの面積と化している。
これだけの大規模火災をもたらしている要因は、高温と干ばつ。 ブリティッシュ・コロンビア州のロッキー山脈の中腹に位置するクランブルックでは8月10日の最高気温が40・5℃、これは平年の最高気温をなんと15℃も上回る驚きの高温で、8月の降水量はゼロ。こうした状況下で一端火の手が上がったら、人間の手ではそう簡単に抑えることが出来なくて当然だ。
前回の「歴代最大規模となった米国の山火事」でもお伝えしたように、広域にまたがる山火事の恐ろしさは森林という自然が破壊されるだけでなく、煙による人体への影響が大きいという点である。 上の図
@は米国からカナダにかけての大気汚染の度合いを表したものであるが、見て頂ければ、広大なエリアが汚染の影響を受けていることがお分かりになるはずだ。
特にカナダ西部には黒や赤の表示が広がっており、最もひどい所ではPM2・5の濃度がWHO(世界保健機関)の安全基準をはるかに超える濃度になっており、外出を控えざるを得ない状況と化しているようである。
また図
Aを見てもらえれば、こうした山火事の影響が宇宙から見ても広範囲に広がり、西寄りの風に乗って大西洋を渡りヨーロッパにまで広がっていることが、お分かりになるはずだ。
米国の温暖化対策また一歩後退
先にトランプ政権が、地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの脱退を表明したことはご承知の通りである。 ところがここに来て、再び米国は温暖化対策から一歩後退する措置を実施するところとなったようである。
CO2の排出について、オバマ政権が実施した国の規制はなくなり、各州に判断がゆだねられるところとなったのだ。 その結果、石炭産業などが盛んであった州では、規制が緩み、老朽化した発電所の稼働延長も可能になるため、火力発電所が出すCO2の削減量が減少することは必至である。
こうした措置が「自国第一主義」に基づいた、11月に行われる中間選挙を有利に戦うための政策であることは明明白白。 自国の西海岸一帯では高温と干ばつによる山火事が多発し、東海岸一帯では巨大なハリケーンによる被害が多発して来ていることなどお構いなし。 こうして、世界第2位の温暖化効果ガスの排出量の米国の温暖化対策は、更に後退することになる。
最近、ヨーロッパなどの科学者たちから、「各国が目標通りに温室効果ガスの排出を減らしても、温暖化を止められない恐れがある」、「このままでは地球は温室化し生物が住めなくなる可能性が高く、大気中のCO2を地下に埋めるなどの技術を進めるなど、早急な対策が必要だ」とする見解が発表されている。
地球温暖化はCO2の増加による影響より、近づく太陽のソーラーフラッシュによる影響の方が大きそうであるが、熱波や干ばつをより深刻にしている要因の一つがCO2であることも事実である。 トランプ大統領の打ち出す自分さえよければ、今さえよければ的な政策は、とても覇権国家の為す行為ではない。 どうやらこれから先、地球の危機的到来はまた一段とそのスピードを増すことになりそうである。
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このままでは地球の未来は、洪水と干ばつに覆われることになりそうだ。
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