6月18日に発生した大阪北部を震源とするM6・1の地震から始まって、西日本一帯13府県で200人を上回る死者・行くへ不明者を出した前例のない豪雨と洪水、そして、90名近い熱中症による死者を出した日本列島を覆う記録的な猛暑。 連日、そうした報道のニュースが続く中、ここに来て今度は、台風12号の上陸のニュースである。
まさに異例づくめであるが、私が驚いたのは、今年の台風発生の多さと、今回の台風12号の異常な進路である。 2年前の2016年8月に日本列島の東の海上で発生した台風10号が、沖縄を目指して南下した後、再びUターンして東北に上陸するという異例な進路をとったことは、「台風が示す異常気象」と「気候変動のサインを見逃すな」に記したので、覚えておられることだろう。
今回の台風12号の発生は2年前に比べて完全に1ヶ月早いことが先ず注目点である。 それとその進路の異常さである。 12号は日本列島沖合を北東に向かって進んでいたので、本土への被害はなさそうだと安心していたところ、なんと突然、小笠原諸島近海で北に進路を変えた後、その後、西に向かって進もうとしているのだから驚きである。
静岡県に上陸したあとUターンして、西に向かって進路を取り九州地方に接近する台風など見たことがない。 そして、その異例な進路の先にあるのが先日の豪雨と洪水に見舞われ、今なお復旧活動の最中にある岡山や広島など西日本各地であるのだから、なんともはやショッキングである。
地震、豪雨と洪水、猛暑と続いた後、異例な進路を取ることになった今回の台風12号の発生には、何か深い意味があるように思えてならない。 天が、これから先、遭遇することになる天変地異や自然災害は、従来の常識が通用しないということと、その頻度や規模が経験したことのないものになることを教えてくれているのではなかろうか。 私にはそう思えてならないのだ。
拡大し続ける米国の森林火災とフランスの猛暑
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真っ赤な炎に包まれたカリフォルニア北部の火災現場
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フランスでは猛暑で、トウモロコシの生産が半減している地区が出ている
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先日「拡大し続ける米国の山火事」で、米国の山火事がワシントン州から南はカリフォルニア州、そして東はコロラド州からテキサス州まで10州の42箇所で発生
していることをお伝えしたが、カリフォルニア州北部の森林火災は発生から既に2週間余が過ぎている現在も、なお延焼し続けており、すでにその面積は何百ヘクタールにも達している。
37℃を超す熱波と風速30mの強風の中、人口9万人のレディング村では既に100軒が焼失し、さらに500軒以上の家が炎に囲まれており、消防士や住民に何人かの死者が出ているようである。 消火に当たっている消防士が、このような火災は見たことがないと語っているところを見ると、延焼の規模やその燃え方の凄さが前例のないものであることは、間違いなさそうである。
一方、欧州各国も猛暑に見舞われているが、フランスF2テレビは、少雨と猛暑によってフランスの農家や酪農家に被害が広がっている様子を伝えている。 地方によってはトウモロコシの生産量が例年の半分以下となっているところや、乳牛が暑さにやられて、ミルクの量が15%近く減少しているところが出ているようである。
こうしたニュースを見ていると、これから先、我が国でも農家や酪農家の方にとって、厳しい試練が待ち受けているようで、心配である。
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拡大し続ける一方の山火事
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延焼する街を逃れて避難する車列が続く
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