ミャンマーの少数民族であるイスラム教徒のロヒンギャの人々が、家を焼かれ殺害やレイプなどの迫害を受けて、隣国バングラディシュに難民となって逃れた問題。 我々がその悲惨な実体を知ってから1年半以上が経過。 その後の様子については幾度かHPでお伝えしてきたのでその悲惨な実体は十分にお分かりのはずだ。
国連の調査団である国際人権委員会のメンバーは、ミャンマーでの調査が拒否されたため、昨年3月から避難した難民が生活しているバングラディシュの収容施設を訪ね、800人を上回る多くの避難民から迫害の規模や虐待の実体の聞き取り調査を行って来た。 今朝の英国BBCニュースは、調査団が発表した報告書の厳しい内容を伝えていた。
21日に発表された報告書は、1年余にわたる調査の結果、無差別な暴行や殺人が繰り返し行われたことが確認されたとして、こうした行為は国際法上重大な犯罪に当たることは間違いないとして、ミャンマーの軍の幹部6人を虐殺などの疑いで訴追することを、国連安全保障委員会に求めるものであった。
国連の調査団が個人を名指しして責任を追及するのは極めて異例のことであるが、それは調査結果に対して調査団が十分に確信を持っていることを示している。 軍人や民間人が集団でやって来て家に放火、親の目の前で子供を虐殺、そして逃げ延びる人々を銃殺、爆殺。 これ以上はないと言うほどの無慈悲な虐殺行為が数十年前から行われていたことは、どうやら間違いなさそうである。
調査団は事実上の国家顧問であるアウンサン・スーチー氏についても、訴追の対象にはしていないものの、暴力を抑えるために政府の指導者として為すべき道徳的権限を駆使することを怠ったと、強く批判。 批判は当然のことで、スーチー氏が未だノーベル賞を返還しないでいることが不思議なほどである。
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訴追される軍司令官
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スーチー氏にも厳しい非難
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28日には、国連の安全保障委員会が開かれ、調査団から求められる訴追について討議することになるものと思われるが、問題は委員会メンバーである中国の対応である。 中国はミャンマーを重要な相手国と考えているため、拒否権を行使する可能性が大きく、そうなると、調査団の求めが実現するのが難しそうである。
この世の裁きがあろうが無かろうが、ミャンマー人が長年にわたって行って来たロヒンギャ族に対する非道な行為は、途方もないカルマとして天から裁かれることは間違いない。 私にとって何より残念なことは、仏陀誕生の地に近いミャンマーで、熱心な仏教徒がこのような残虐な行為を為して来たことである。
今回のロヒンギャ問題も宗教間同士の争いであることには変わりはなく、今世界各地で起きている争いや殺し合いの多くが、宗教間や宗派間の争いが主要な要因となっているのだから驚きだ。 さぞかし、ブッタもイエスもムハンマドも天界で嘆き悲しんでおられることだろう。 まさに「末世」の時代の到来である。
時の到来が近づけば近づくほど、人も組織も「素」が出てくるため、これから先、こうした悲しいニュースが益々多くなってくることは避けられそうにない。 心を乱さず、冷静さを保ち、明るく笑いのある家庭を築き、後悔の二文字を残さないよう、過ごして行きたいものである。
聖なる空間「徳乃蔵」を、そんな皆さんの願いにお役に立てて頂けたら幸いである。 最近、常連客の皆さんの中に、足が遠のいておられる方が出て来ているのが気になる所である。 高次元世界への旅立ちのチャンスを逸することのなきよう願っている。
次回は、避難民たちが今キャンプ地でどのような暮らしをしており、先の見通しはどうか、などの点について報告する予定である。
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火をつけられて住まいが焼失 (写真はイギリスBBC)
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隣国・バングラディシュに着の身、着のままで避難
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厳しい環境の避難先で暮す人々
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