鮮明になった二極化・二分化
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国民を二分化に導いたトランプ大統領 |
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世界が注視した米国の議会選挙が終了した。 今回の選挙は議会選挙というよりトランプ大統領の信任投票の色合いが強かったが、結果は大方の予想通り、共和党は上院で多数を維持した一方で、下院では民主党が多数を奪回するところとなった。
大統領は大変な勝利だったと自慢しているが、下院での多数を民主党に譲ったことは間違いなく敗北で、これからの政局運営が難しさを増すことは確かだ。 大統領は口にはしないが一番恐れているのは、多数を民主党に譲った下院において、自身のロシア疑惑が改めて追求される点である。
しかし、そうして点は何とか乗り越えて、彼はこれから先も、貿易問題や移民問題などで自国第一主義、保護主義政策を推し進めていくに違いない。 今しっかりと理解しておかねばならないことは、今回の選挙で国民の二分化、つまり、若者と高齢者、黒人と白人、男性と女性、都市部の人々と農村の人々・・・・、こうした分断がはっきりとしたことである。
これは私がかねてより言ってきた人々の「心の素」が表面化した結果である。 つまり、国家と国民の持つ「素」がはっきりと露出し、二極化、二分化が鮮明になったためである。
移民問題にどう対応するか
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メキシコとの国境に鉄線を張る米国兵
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選挙はこれで幕引きとなったが、私が気になっているのは、選挙期間中であったのであまり大きく取り上げられなかったが、ホンジュラスやグアテマラ、エルサルバドルなどの中米から米国を目指している多数の移民集団である。
その数は5000人を超え1万人に達するのではないかと言われており、彼らはなんと2000~4000キロ以上離れた中米各地から徒歩で米国を目指しているのである。 つまり、九州から北海道までの距離よりさらに遠い先を目指して徒歩で移動しているのである。 掲載させて頂いた写真でその姿を見て頂ければ、それがどれほど過酷な旅であるかがお分かりになられるはずだ。
彼らは国の政治情勢の不安定化で収入が得られないだけでなく、命も狙われるケースが多くなっているため、なんとしても米国にたどり着き、安定した収入と身の安全を確保したいと願っているのだ。 東京から大阪まで徒歩で歩きなさいといわれたら、どなたもが勘弁して下さいというに違いない。 ましてや鹿児島から札幌まで、それも雨の中、風の中を大河を腰まで浸かって進むのだ。
移民集団の第一グループは現在メキシコにまでたどり着き、更に先を目指して進んでいる。 メキシコ政府は移民集団に対して労働ビザを支給する考えで、自国で職に就くことを進めようとしているが、移民の大半は米国を目指しているため、収容所で一休みした後、再び米国を目指し北上することになりそうである。
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4000キロの遠路をただひたすら歩き続ける移民集団
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問題はトランプ大統領がこうした移民グループをいっさい受け入れるつもりが無く、「彼らは殺人者の集団だ!」と暴言を吐いて、1万人を超す兵士をメキシコとの国境に派遣し、入国を阻止しようとしている点である。 移民の中には乳幼児を含めた子供たちもおり、彼らを抱き、背負って必死の思いで2000キロを旅してたどり着いた国境で、有無を言わせず入国を拒否されたら、地獄である。
入国の諾否はそれぞれの国が決めることであるから部外者は何とも言えないが、今回の移民集団の旅の厳しい状況を目にしたら、トランプ大統領の命じる塀や鉄線で封鎖して、有無を言わせず追い返す行為は簡単に受け入れられるものではない。 元をたどれば、トランプ氏をはじめ多くの米国人は、移民集団の末裔ではないか。
勝手に移住して来て、先住民の地を奪い、彼らが共に暮らしていた動物たちを皆殺しにし我が領土としたのは、あなた達米国人のご先祖だったのではないか。 そんなカルマを積んできているというのに、さらなる人道を逸する冷酷な仕打ちをしすることになったら、彼らは更なるカルマを背負うことになる。 それも重い、重い鉄の塊のようなカルマをだ。
英国と共に日本を第二次戦争に誘い込み、挙げ句の果て原爆を投下して罪なき多くの市民を殺害したばかりか、ベトナムや朝鮮戦争など世界中の戦争に全て関わり、自作自演の同時テロ9・11事件を引きお越してイラクやアフガン、シリアを始め多くの中東諸国を地獄におとしめたのは、他ならぬ米国ではないか。
米国人の中にも高次元の世界へ旅立つ人たちがたくさんいることは間違いない。 しかし、これ以上のカルマを積んだら、それ以外の人々を待ちかまえているのは、恐ろしいまでの地獄の世界である。「魂の抹消」へと向かう人々が少しでも少ないことを願っている。
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川を渡り米国を目指す移民集団
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