インドネシアなど世界各地で自然災害が続く中、異常気象のメッカと化した「北米大陸」では、今週も北と南で大荒れの天気となっている。 カナダのカルガリーでは10月1日から3日にかけ冬の嵐に見舞われて降雪、積雪量はおよそ40センチに達した。
街中では雪に覆われた車道を、スキーで出勤する男性の姿が見られた。
カルガリーはカナダで最初の冬季オリンピックの開催地となった都市だけに、冬の到来は早く10月に入ると冬のシーズンに入るのだが、寒さ
や降雪が本格化するのは12月〜2月。 そのため、今回のように10月に入った直後の大雪は極めて珍しく、40センチの積雪はこの時期としては100年ぶりの
珍事であった。
我が国の今年の冬は暖冬になるのではないかと伝えられているが、カナダや北米は昨年同様、厳しい寒波と暴風雪に見舞われることになるかもしれない。
今回の季節外れの大雪は1月3日付の記事「カナダと米国北東部、異常な寒波と大雪」でお伝えしたような、記録的な寒波と大雪の再来の前兆かもしれない。
南の米国西部で記録的な大雨
一方、米国では西部アリゾナ州のフェニックスで、ハリケーン・ローザから変わった熱帯低気圧の嵐に見舞われ、下の写真のように街全体が水浸。
雨量はどのくらいであったかというと、わずか60ミリ。 日本人の感覚からすると「たった60ミリの雨で洪水?」と思うが、年間降雨量が180ミリ
程しかないこの地方では年間雨量の3分の1に達する大雨なのである。
これだけ雨量が極端に少ないと、当然我が国のように排水設備等が完備しているとは思えない。 そのため60ミリの雨は我が国の300ミリ、400ミリの雨に該当することになってしまうの
ではなかろうか。 そのため、街全体が床上浸水状態となってしまった、ということのようである。
いずれにしろ、10月の降水量として記録を更新する雨量であった
ということは、まさに異常気象である。 今年もまた大雨による洪水に見舞われたアフリカ北部の砂漠地帯と一緒である。
何より驚くのは、カリフォルニア州北部や北東部
は、乾燥化と熱波で森林火災の頻発しているエリアであることである。 そんなエリアが一転して洪水に見舞われたのだから、住民の方々もさぞかしびっくり
したに違いない。 砂漠地帯アフリカの住民と一緒である。
振り返ってみると、今年1月9日付の記事「カリフォルニアで大洪水発生」で記したように、カリフォルニア州では2016年1月に南部で、2017年2月には北部で、そして2018年1月には南部で洪水と土砂崩れで甚大な被害が発生しており、17年の洪水は過去100年で最悪のものとなっている。
こうしてみると、カリフォルニア州の森林火災と洪水はどうやら完全に常態化してしまったようである。 そして、今回のフェニックスの記録的な洪水は来年の1〜2月の大洪水の予兆なのかもしれない。
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街全体が洪水に見舞われたフェニックス
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