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米国との国境に数千人の難民・移民到着

 
 

 
 


1ヶ月余をかけて4500キロの旅を続けてきた人々が
いま続々とメキシコの北端ティファナに到着している。
 

 
 

 
 

 

 

ホンジュラスやグアテマラなど中米から米国を目指す人々が続々と米国境に到着している。今回の難民・移民の総数は8000人〜1万人と言われており、すでにメキシコの 北端のティファナの町の避難所には3000人ほどの人々が到着している。

 彼らが約1ヶ月余をかけて歩いた道のりは 、ホンジュラスからだと4500キロに 達し、東京、大阪間のおよそ9倍の距離になる。一時はトラックやトレーラーなどに乗ることもあったようだが、それも命がけ、荷台から落ちたりタイヤに巻き込まれたりする人々も多かったようである。 

それでも多くの人々がなんとか国境の町・ティファナまでたどり着いているのは、自国の犯罪組織の暗躍によって家族や友人が殺害される中、命がけで米国を目指したからである。中には幼い子供連れや出産を間近にした妊婦たちもおり、その姿を見ると心が痛む。

ティファナ郊外に造られた国境の壁によじ登り、米国の景色を眺めた20歳の青年は「やっとここまで来た。向こうに行けば違う人生があると思う」と 未来への希望を語っていた。  また、別の青年は「壁の向こうには軍隊が待ち構えていると聞いているが、たいしたことはありません。 あちらにあるのは私の夢である米国という大国ですから」

しかし、青年達が希望を託す米国は今やかってのように、移民や難民を快く迎え入れる大国ではなくなってしまっているのだ。 トランプ大統領は国境を目指す人々は国を捨てた犯罪者だとして、入国を拒否するだけでなく、米国内で拘束した人々は釈放しないと強気の姿勢を見せている。

そして、国境警備隊を後方から支援するために海兵隊や陸軍の兵士ら1万5000人を派遣している ことを考えると、難民申請を許可されなかった人々が国境を越えるのは至難の業である。

 
 

 
 


1600キロにわたって続く国境の壁。
難民申請が却下された人々は、この壁を乗り越えねばならない。
 

 
 

 
 


壁は海まで続き、泳いで入国しようとする人々はカメラが監視している。

 
 

一方、メキシコの国境沿いの町・ティファの市民の一部は「市民生活が脅かされる」として、滞在に反対してにらみ合いを続けており、警察が出動する事態も発生している。 アフリカや中東からヨーロッパを目指す人々がギリシャやイタリアなどで足止めされ、厳しい避難所暮らしを続けているように、これから先、米国との国境沿いでも難民達は、米軍兵士やメキシコ住民とのにらみ合いを続けることになりそうである。

かってはヨーロッパ諸国からの移民によって建国された米国、そして、高度成長を遂げて世界の覇権国家となった後、中米からの移民たちは米国の農園などで働き、米国の成長を助けてきた。  しかし、そうした難民や移民たちは今、トランプ氏の登場で犯罪者とまで呼ばれて、米国へ渡ることすら出来なくなってしまったのだ。

いま世界はアフリカや中東諸国、東南アジアなど各地で難民・移民が大量に発生し行き場を失っている。 そうした中で新たな中米 諸国からの移民や難民の発生は、まさにこの世の地獄絵となろうとしている。

しかし、こうした事態は我々日本にとっても、決して他人事で済まされることではないのだ。 朝鮮半島で南北間の和睦が瓦解した時や、中国で低所得者達による暴動や内乱が勃発し共産党政権の崩壊が発生した際には、想像を絶するほどの難民が日本海を越えて渡ってくる可能性はあり得るのだ。 

神風がいつも吹いて神国日本を守ってくださるとは限らない。 我々日本人も「時の始まり」を前にした今、世界に広がっている苦難・艱難が明日は我が身となることを 、しっかりと肝に銘じて置く必要があるのだ。

 
 

 
 


メキシコ・ティファナの収容施設で米国への入国を待つ人々。
しかし、難民申請を受け入れられる人々は全体の20%と言われている。
後の残りの人々は国境を不法に乗り越えることになりそうである。
 

 
 

 
 


人々の中には幼い子供や乳飲み子もいる。 
米国にいる父親に会いたい一心で長旅を乗り越えて来た親子。
 

 
 

 
 

 

乳飲み子を抱く母親。 我々もそう遠からずして、
こうした姿を目にする時が来ることになるかもしれない。

 

 

 




 

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