11月8日に出火した米国のカリフォルニア州の山火事。 その後の経過については「拡大し続けるカリフォルニア州の山火事」や「さらに拡大するカリフォルニアの森林火災」でお伝えしてきた通りであるが、出火から2週間
以上経過した数日前にようやく鎮火したようである。
焼失した面積は東京都全体を上回り、死者の数は90名、行方不明者は200名を超えており、被害総額は1兆5000億円に達し
たようである。 この数字は昨年の夏に東部のフロリダ州を襲ったハリケーンの被害額と同様な額に達しており、ここ2〜3年の米国における年間の自然災害の被害総額は
、小さな規模の国の国家予算を上回る額となっている。
今回カリフォルニア州を襲った南北の3カ所の山火事、その最大の被害地となったのは北部の町。 その名前はなんとも皮肉なことに「パラダイス(天国
)」。 この町はカリフォルニアがゴールドラッシュ(金の採取)に湧いた19世紀の半ば頃に、山を切り開いて造られた自然風景が広がる楽園
(パラダイス)であった。
この「パラダイス」の町のほぼ全ての住宅1万3000棟が焼失し、死者と行方不明者がおよそ300名となったのだから、まさに楽園の町「天国」が「地獄」と化してしまったというわけである。
被害規模がこれだけ巨大となった要因は既にお伝えしてきたように、
少ない雨量と乾燥化であった。 先日、カリフォルニアから帰国されて徳之蔵に来館されたた方が、町全体が乾燥しきった土壌と枯れかかった草花に覆われていて驚いたと語っておられた。
9月は平年の5%しか雨が降らず、雨の多い10月になっても平年の半分以下、このため土壌や草木はからからに乾いた状態となっていた。 そんな状態の森林
に火の手が上がり、風速が20〜25メートルの強風が吹いたのだからたまらない。
一方、死者と行くへ不明者の数が300名という山火事としては前代未聞の規模に達した原因は避難の遅れであったようだ。
「パラダイス」では避難指示や警報のシステムが十分に出来ていなかったため、避難が集中し道路がパニック状態と化して大渋滞となり、車ごと火に巻き込まれたり、
車外に脱出して逃げる途中、路上で焼死した人々が多く出たためであった。
何とか逃げ延びた人々の一部は避難場所が用意されていないため、隣町のスーパーの駐車場にテントを張って避難生活を送っておられるようである。 その姿はこれまでに何度も何度もお伝えしてきた、シリアやイラク、アフガンなどから国を追われた人々の暮らす難民キャンプの悲惨な情景を彷彿させるものであった。
乳飲み子を抱いて狭いテントで暮らす下の写真は、豊かな経済を誇る米国であっても、いったん自然災害に遭遇するとこうした状況に陥ることを知らしめているようである。
それにしても、覇権国家・米国の繁栄を象徴するフロリダ州とカリフォルニア州で、中東諸国の難民キャンプと似た厳しい情景を見ることになったのは、なんとも驚きであった。
中東の難民発生の元凶となったのは、ブッシュ親子が為した湾岸戦争やアフガン、イラク戦争であった。
そうした行為が中東諸国の人々に悲惨な状況をもたらして来たことを考えれば、3次元世界の終末を迎えようとしている今、そのカルマが国家や国民に襲いかかって来ている
ことが理解出来るであろう。
この程度はまだまだ序の口、恐ろしいことだが、米国を襲うカルマはこれからが本番であるのだ。
明日は我が身、他人事と考えず我々も心の準備はしっかりとしておきたいものである。