垣間見え始めた世界経済の危機的状況
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資本主義経済のネルギ−源であった借金制度が
今世界経済に危機的状況をもたらそうとしている。 |
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今回は「世界が抱えた膨大な借金」を3回シリーズで掲載します。 世界が今直面している経済的機を理解する上で大変重要な記事ですので、出来たらプリントアウトしてしっかり読んでおいて下さい。
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先日,NHKスペッシャル「マネーワールド」で、今や世界は国家も企業も
個人も膨大な借金を背負い、立ちいかなくなる事態に追い込まれようとしていることを伝えていた。
ご覧になられた方も多かったと思うが、それはまさに私がかねてからお伝えして来たように、米国や中国、日本など各国政府が抱えた膨大な借金で、経済が立ちいかなくなって来ており、もはやいつ破綻してもおかしくない状況にあることを伝えるものであった。
今回は改めて番組が明らかにした数値
や最新のブルームバーグの情報をもとに、政府や企業、そして個人が抱えた借金がいかなる状況にあるかを見てみることにする。
明らかにされた数値や指標をご覧になられれば、今世界がいかに危機的状況にあるか、そして現在の貨幣制度が崩壊直前の瀬戸際にあるかがお分かりになられるはずである。
先ず資本主義経済の基本にあるのは「借金制度」であることを頭に入れておいて頂きたい。
事業を始めるには先ずは資本金が必要である。そのために、個人も企業も金融機関などから借金をすることになる。 そして立ち上げた事業から得た「利益
」で「借金」と「利息」を返済していく。 これを繰り返しながら会社は大きくなり、従業員の数も増えていく。 こうして各国の経済は成長していくことになるのである。
つまり、資本主義社会においては、借金は経済成長のエネルギーであるというわけである。
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借金の総額を1万円札で積み重ねると、月までの距離のおよそ半分に達する。
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しかし、この「借金制度」のシステムを維持していくには、借金を元にして立ち上げた事業がもたらす利益が、常に「借金+利息」を上回ることが前提となる。
ところが、いま世界経済はこの「借金制度」の大前提が瓦解し始めているのである。
その大きな要因の一つが、世の中に物があふれてしまって必要とする物が無くなって来ていることである。 そこで各国の政府
が為したことは、中央銀行に刷らせたマネーを金融市場にばらまき、個人や企業がその金で
新たな投資をして経済成長を促そうとする「ばらまき政策」であった。
その結果、今や個人も企業もそして政府自体もが借金だらけとなってしまい、身動きがとれない状態に陥ってしまったのである。
それでは、その借金の額はいったいどれほどの額に達しているのか。 その驚くべき実態を見てみることにしよう。
IMF(国際通貨基金)が発表した数値に基づくと、いま世界が抱えた借金の総額は政府、企業、個人を合わせると164兆ドル、なんと1京8500兆円という目も眩むほどの額に達しているのである。 そして、IMFはいま資本主義のシステムに大きな危機が迫っていると警告を発している
。
発表されたその額がいかに膨大なものであるかを示すために、番組では借金の総額を一万円札で重ねるとその高さは18万5000キロになり、月までのおよそ半分の高さに達する図形(上の図)を用いていた。
そしてその額はGDP(経済成長率)の2倍を上回るところとなっていたのである(下の図)。 GDPは簡単に言うと国家の収入金額ということになるので、もはや借金の総額は収入の2倍に達していたのである。
それでは次回はこの膨大な借金の政府、企業、個人
別の内訳がどうなっているのか、そして、それぞれの分野がいかに危機的状況に至っているのかを、事例をもとにその実体を見てみることにする。
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