台風24号、皆さまの地では被害の状況はいかがだったでしょうか。 ご自身の周辺で発生した被害を目にした読者は、前回「不思議な台風24号の進路」で最後に記した「もしも、長老の警告が現実となるようなら、これまでの21号や22号を上回る規模の災害に見舞われることになりそうである」が現実となったことを実感されたに違いない。
私の住む八ヶ岳山麓も進む台風の眼のすぐ東隣に位置していたため、大きな被害は出ていないが、強風と雨はかなり厳しいものであった。 瓦の間から入った雨が天井から落ちて雨もりし、玄関に水が溜まったり、地震のように家が揺れたりしていたため、朝方まで床に就くことが出来なかった。
「非常に強い台風」と呼ばれる台風がシーズン中に2度あることは極めて稀であったようだが、21号、22号、24号とこれだけ短期間に甚大な被害をもたらす台風が次々と襲来したのは、記憶にない。
問題はこれで、心配が消えてしまったわけではないということだ。 既に25号が発生しており、24号によく似た進路をたどっている(下の図参照)。 更にその後に26号の卵も発生しようとしているのだ。 今の段階では、次なる二つの台風が今回と同じように我が国に向かうのか、直進して台湾や中国に上陸するかは分からないが、長老が伝えて下さった巨大台風襲来の期間内にあるだけに、注視しておく必要がありそうだ。
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30日の段階では勢力はそれほど大きくはないが、これから先、発達する可能性はゼロではない。
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インドネシアの地震の被害状況
一方、先週金曜日に発生したインドネシアのM7・5の地震と津波の被害は、我が国の台風の被害を大きく上回る規模になっているようである。 被害が大きかったのはスラウェ
シ島のパルとドンガラの二つの村であるが、既に犠牲者の数はパルだけで800人に達しており、被害の大きかったドンガラの状況次第では、最終的な死者の数は1000人を大きく上回ることになりそうである。
今回、死者の数がこれだけ多くなった要因は、地震だけでなく津波による被害者数が多かったことである。 イギリスのBBCニュースによると、津波の高さは6メートルに達したようであるが、 実は、地震の発生から5分後に津波注意報が発令されたにも拘らず、その30分後に解除されていたようなのだ。 こうしたことは、我が国でも絶対あり得ないことではないので、是非判断ミスの要因を調べておいてほしいものだ。
心配なのは3日目を迎えた今もなお、食料など支援物資が届いていないことと、什器がないため救助活動が難航していることである。 瓦礫の下から救助を求める声が確認できているにもかかわらず、救出することが出来ずに死亡するケースが多く発生しているようである。
下段の写真Aに掲載したのは倒壊したホテルであるが、ここにも今もなお50人ほどが瓦礫の下に閉じ込められており、救助活動はほとんど手がつけれない状態のままとなっている。 被災地が気温の高い赤道直下であるため感染症の広がりの危険が大きく、死体の埋葬を急ぐ必要があるのだが、瓦礫の撤去が遅れるようなら、感染症などの2次災害の発生が心配である。
このところ、インドネシアやパプアニューギニアにかけての環太平洋地震帯での地震が多発して来ているのも心配である。 巨大な噴火や地震は富士山の噴火が始まるまでは、抑えられていそうであるが、いつまでもというわけにはいかないだけに、注視しておく必要はありそうだ。
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写真@ インドネシア・スラウェシ島のパルの町の被害状況 (イギリスBBC)
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写真A ホテルが全壊。 建物の中に50人以上が閉じ込められているようだ。
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写真B 重機がないため救助作業は人の手に頼っている
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写真C 津波警報が解除された直後に、6メートルの津波が襲った湖岸の町
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