貧困、戦闘に加え気候変動に
苦しむアフリカのマリ共和国
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マリでは乾燥化で砂漠が広がっていたが、突然洪水で畑が全滅する被害が発生。
(イギリスBBC)
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マリ共和国はアフリカの西部にある。
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いま世界中が気候変動による異常気象に見舞われている中、日本ではアフリカの惨状を伝えるニュースを目にすることは少ないが、先日イギリスの「BBCニュース」が、アフリカ西部
のマリ共和国の砂漠化と洪水の厳しい惨状を伝えていた。
もともとマリ共和国は砂漠地帯にある国であるが、広がり続ける砂漠化の中で、農村地帯に住む人々は牛や羊の放牧地を広げながら畑作りをするなどして
、細々と生活を維持してきていた。ところがここに来て、大雨による洪水が頻発するようになり、苦労して育てた収穫直前の農作物が全滅し牛や羊に与える餌がなくなり、自給自足の生活が成り立たなくなって来ている。
マリは過激派組織ISやアルカイダなどの武装グループによる戦闘が頻発している国で、国連の平和維持活動隊が派遣されてい国である。そうした状況の中での砂漠の拡大と洪水の発生は致命的で、農村部の多くの国民は子供たちに与える食料に事欠く状況
と化し、まさに極限状態に追い込まれている。
今やこうした砂漠化の広がりや洪水の発生はマリに限ったことではなく、中東諸国からアフリカに至るまで多くの国々で広がっている。実はこうした気候変動による悪しき影響は人間だけでなく、野生動物や野鳥たちにも広がって
おり、その様子をフランスの「F2テレビ」が伝えていた。
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マリの人々は極限に追い込まれ、子供たちは危機的状況下にある。
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渡り鳥のルート変更で悩むイスラエル
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ここ数年、アフリカに向かうツルの多くが途中のイスラエルで越冬するようになった。
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F2テレビは、欧州北部からアフリカのケニアやエチオピアなどに渡っていた渡り鳥などが、気候変動の影響で砂漠化が広が
って渡りきることが出来なくなり、渡航ルートの途中の国で越冬するケースが発生していることを伝えていた。
その国の一例が中東のイスラエルで、北部の湿地帯の農家は渡り鳥により畑が荒らされるという難問に遭遇しているようである。最初の内は珍しい渡り鳥の飛来で
訪れる野鳥ファンと一緒に興味深く眺めていた農家の人々も、畑の作物が根こそぎやられるのを目の当たりにして、大あわて。
押し寄せる渡り鳥の数は毎年数千羽づつ増加し、今やその数は数万羽に達してしまった。大挙して押し寄せる鳥からの被害を免れる唯一の対策は、畑から離れた場所に「えさ場」を設けて毎日エサを与えること
しかなかった。
しかし、これには年間1億円を超すエサ代がかかるため、農家の方たちの出費は大変な額となりもはや限界点に達している。 この対処法にはまた別の問題点があ
りそうだ。エサ場が設けられて定期的にエサが与えられるようになったことから、今までアフリカまで渡っていた鳥たちも
、そこから先への飛行を止めてしまう可能性が増しそうなのだ。もしもそんな事態になったら、今の倍以上の渡り鳥が毎年やってくることになってしま
い、農家の方は完全にお手上げである。
こうして今地球は気候変動一つを見ても、高温と干ばつ、寒波と洪水、ハリケーンや暴風雨などその発生頻度と規模の大きさは尋常ではなくなって来ており、日々の生活が脅かされ
始めて来ている。こうした現状を真摯に受け止めると、何十年も先ではなく、5年、10年の内には世界各地が危機的状況に見舞われる可能性は決して小さくはなさそうである。
我が国のように恵まれた国に住んでいると、こうした状況を我が事として実感しにくいことと思うが、いずれ遠からずしてその日がやってくることは間違いない。その時は鳥や動物たちと一緒に試練の日々を過ごすことになりそうだ。
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ルートを変えてやってきたツル。その数はとても数え切れない。
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ルート変更でやってきた美しい鳥・ヤツガシラ。 この鳥は私も一度だけ
写真撮影のチャンスに恵まれ、写真集「神々の楽園八ヶ岳」に掲載させて頂いた。
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お知らせ》
1月24日に掲載させて頂いた「隠され続けてきた世界の真実
E」の4段目の「この基地は軍産複合体によって建造されたもののようで・・・・」以下の文章が
操作ミスによって正しく掲載されなかった時間帯があったようです。 現在は修正されておりますので、プリントアウトされておられる方は、
お手数をお掛け致しますが、再プリントして頂くようお願い致します。
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