世界の先住民の中で楽器を持たない民族は先ずいないだろう。
アイヌの楽器の中では口琴とか口琵琶と呼ばれる「ムックリ」が有名であるが、トンコリもよく演奏される楽器であったようだ。樺太アイヌではトンコリと呼ばれ、北海道では北西部のみに存在し、カーと呼ばれていた。(カーは糸と弦のこと)
長さは1m前後、幅が15センチほどの竪琴で、3弦、4弦、5弦の3種類があり、腰を下ろし肩にかけて指で演奏する。トドマツ、イチイ、ナナカマド、ホウノキなどの素材から作られていた。
写真Iの左下段と右下段はムックリとトンコリを弾く人。