その多くが姿を消すとされる40年後、人類は?
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小さい頃からよく見た昆虫たち、そんな小さな虫たちの姿を目にしなくなって
久しい。 そうした変化を見過ごして来た人類を待ち受けている未来は? |
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何億年も前、人類が誕生するより遥か以前から、地球の生態系の発展に大きな役割を担って来たのが「昆虫」たちである。その昆虫の未来に存続の危機が迫って来ているという衝撃的なニュースを
、先日、英国のBBCテレビが伝えていた。世界中で13年間にわたって行われてきた昆虫の調査によって、
100年以内に昆虫の多くが絶滅する可能性が明らかとなったようである。
昆虫は植物の受粉に欠かせない存在であることは読者もご承知の通りである。したがって、その数が減少すれば人類の食糧生産が脅かされることは明らかで、昆虫の激減化は単に昆虫の姿を見ることが出来なくなるといった、単純な現象では
済まされないのである。
研究者たちの報告によると、地球上で一番小さな、大切な働き者である昆虫の多くの種が今、劇的なスピードで絶滅へと向かっており、中でも「ミツバチ
」や「カブトムシ」
、「チョウ」や「ガ」の多くが40年以内にその姿を消してしまいそうである。
こうした要因となっているのは、農薬の大量散布、気候変動、
都市化、森林伐採などであるようだが、最も影響力の大きいのは殺虫剤の影響のようである。何といっても恐ろしいのは浸透性殺虫剤の大量散布である。浸透性殺虫剤は葉や茎、土壌中の根から植物の体内に浸透してその植物全体が殺虫力を持つようになるのである。これでは植物に接触する昆虫はたまったものではない。
改めてこうした研究報告を聞くまでもなく、私のように小さい頃から田んぼや畑に囲まれた田舎に住んでいる者は、春夏秋冬それぞれの季節に目にして来た様々な昆虫の姿が激減して来ていることを実感しており、農家の方には農薬の選別をしっかりして頂くように願っているところである。
昆虫が姿を消す時、それは
人類が地球に住めなくなる時なのだ!
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小さな昆虫たちがこの世から姿を消す時、それは人間が地上を去る時でもあるのだ。
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最も早く視野から消えたのは、田んぼにいたイナゴである。小さい頃よくイナゴ取りに出かけ袋にいっぱい捕って来て、油いためして食べたものだが、私が田舎を離れた高校生の頃には、ほとんどその姿を見ることが無くなっていた。田んぼに巻いた殺虫剤による結果であることは明らかである。
同じように早くから目にしなくなったのがホタル。夏の夜の楽しみが無くなってしまったのは半世紀も前のことである。セミの声を聞くことが出来なくなったのは、ホタルが見えなくなってしばらくした後のことであった。その後を追うようにトンボやチョウ
、バッタなどの姿が少しづつ姿を消していった。
近年になって話題に上がったのがミツバチの大量消滅であった。それでも、徳之蔵がオープンした6年前には、まだカブトムシやトノサマバッタやテントウムシ・・・・、こうした子供たちの喜ぶ昆虫も探せば目にすることが出来たが、今はそれすら難しくなってしまった。
ロボット化した人間ならいざ知らず、昆虫のいなくなった世界にまともな人間が住めるはずがない。
自然界の植物の90%が昆虫たちによって受粉されており、我々人間にとって欠かせない多くの野菜の自然栽培に
も受粉は不可欠なのだ。そして、鳥類の60%が昆虫を餌にしていることも見逃せない点である。
ということは、我々が昆虫との共存関係を断ち切られた時には、人類がこの地球から去らねばならない時でもあるということである。そして、その時がそう遠からずしてやって来ようとしているというのだから、尋常ではないのだ。
しかし、今回のようなニュースに対する反応が今一つであることを考えると、時遅しとなる可能性は決して小さくなさそうである。
そんなことを改めて感じさせられた今回のBBC放送であった。
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