議事堂突入から一夜明けた米国
乱入事件は多くの国民の心を
傷つけたようである。
|
|
|
|
議事堂内に侵入し旗を振るトランプ大統領支持者たち。
|
|
トランプ支持派による議事堂への侵入については前回お伝えしたが、大統領支持派、反支持派に限らず米国の一般国民の受けた衝撃は大きかったようである。
自由と平等を国是(こくぜ)とし、民主主義の象徴であることを誇りとしてきた米国民にとって、聖なる場所である議事堂への暴力的な乱入は、多くの人々の心を傷つけるところとなったようである。
また、長い間、米国に対して畏敬の念を持っていたヨーロッパ諸国の人々にとっても、ショックは大きかったようである。イギリスやドイツ、フランスなどヨーロッパを代表する国々のトップから発せられた驚きと落胆の声がそれを物語っている。
イギリスのジョンソン首相はトランプ氏を名指しで非難、「大統領が主張してきた大統領選挙の不公平さは全くの間違いであり、大統領が人々に恥ずべき行為を促したことを批判します」と語っていた。またドイツのメルケル首相も、今回の議事堂侵入を引き起こすこととなったトランプ大統領の一連の言動を厳しく非難していた。
本日の報道を見ていると、事の起きる前に行われていた抗議集会に参加していたトランプ大統領が「議事堂に向かい選挙結果に対する反対の気持ちを力で示せ」と檄を飛ばしていたことは間違いないようである。それが事実であったことは、大統領がホワイトハウスに戻った後、執務室で暴動の様子を伝えるテレビを平然と眺めていたことが物語っている。
|
|
|
|
議事堂内の荒らされた惨状。
|
|
|
|
|
暴動を鎮圧するために州兵の派遣を命ずるのは大統領であるにもかかわらず、そうした動きは一切見せなかったため、スタッフが大統領に助言した結果、ようやく重い腰を上げるところとなったようである。
その後、ホワイトハウスの幹部が相次いで辞任を表明し、大統領と同じ党派の共和党の議員からも批判が上がり、共和党の女性議員が辞任を発表したのも、そうした大統領の行動に愛想をつかした結果であったようである。
暴徒に侵入された議事堂で深夜再開された議会において、正式にバイデン氏の大統領当選が承認され、トランプ大統領も政権交代を認めるところとなったが、それでもトランプ氏が最後まで大統領選挙の不正を主張していたのには驚かされた。
こうした往生際(おうじょうぎわ)の悪さは、もしも、4年後に再度大統領選に立候補するようになった時にも、あまり良い結果は生まないのではなかろうか。ただ、覇権国家・米国が破たんに向かう動きはこれから先、「政治の混乱」、「経済の崩壊」、「多発する巨大自然災害」などによって、急速に進むことになる可能性が大きいだけに、4年後の大統領選挙自体が無事実施されるかどうかは疑問である。
いずれにしろこれから先、「時の流れ」は一段とスピードを増してくることになりそうであるので、読者に置かれては目を広く世界に転じて、日々の世界情勢をしっかり見届けておいて頂きたいものである。
「議事堂の占拠に参加できたことをうれしく思っています」と語るデモ参加者。
この二人を見る分には、議事堂に侵入した中には一般市民も交じっていたようである。
|
|