習近平政権がチベットに次いで新たに占領した新疆ウイグル自治区において、ウイグル族の撲滅に向けて女性の卵管や男性の輸精管を縛る不妊手術が実施されるなど、非人道的行為を拡大して来ていることは、「中国が行うジェノサイド(集団殺害)」でお伝えした通りである。
こうした非道な「ウイグル族削減政策」を続ける中で、いま習近平が力を注いでいるのは新疆ウイグル自治区から多くのウイグル族を追放し、漢民族の人口比率を多くする政策である。実はそうした政策に力を入れていることを示す文書をイギリスのBBC社が入手し、今朝のトップニュースで伝えていた。
この文書は政府高官に向けて書かれた文書で、そこには、ウイグル人労働者の中国本土への移住計画はウイグル族の同化政策や思想改変、人口密度の減少に役立っていると記されており、中国政府が国家戦略として、いかにウイグル自治区の中国化に力を入れているかが示されていた。
いまウイグル自治区の村では出稼ぎに出る人数が決められており、数千人規模小さな村でもその数は100人以上となっているというから、驚きである。特に問題なのは若い青年男女が対象となっていることである。政府はそれによって、村でウイグル族の子供が生まれることが押さえようとしているのである。
移住させられる人々は先ず、巨大な再教育キャンプに送られて共産主義思想の教育を受けた後、各地に向かって送り出されるわけである。その移住先の多くは中国本土の中部地域など自治区から3200キロも離れた場所で、彼らはそこでウイグル族の衣服を脱がされ、中国の国家を歌わされて政治的な思想を教え込まれ、工場間の移動は警備付きであるというから、まさに奴隷扱いである。
こうして中国共産党政権はチベット、モンゴル、新疆ウイグル自治区と、長年にわたって異民族の人々が暮らす土地を次々と侵略し、そこで暮らす先住民の人口を削減して、伝統や文化、更には言語までを奪おうとしているのである。
そうした中国政府の振る舞いを考えると、中国という国家の抱えるカルマがいかに巨大化しているかが分かろうというものである。こうして習近平主席は、米国と入れ替わる覇権国家を目指しているわけであるが、覇権国家どころか、国家そのものの滅亡が刻一刻と迫って来ているのである。
我々はその姿を、遠からずして我が目で眺めることになるに違いない。