1億人の貧者がいるのに、
習近平政権 「脱貧困計画達成」
を宣言
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生活費に苦しむ農民は大病にかかったら死を待つしかないという。 |
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中国では今、全国人民代表大会(日本の国会に相当)が北京の人民大会議堂で開かれているが、習近平政権が誇らしげに発表したのが、2020年を期限に目指してきた「脱貧困計画
」の達成であった。そして、計画に尽力してきた人々を大会の中で表彰している。
習近平国家主席は表彰式で、「わが国の脱貧困攻略戦は全面的な勝利を収めた。現行の基準の下で、農村部の9899万人の貧困層はすべて貧困から脱出した。832の貧困県と12万8000の貧困村は、(その『貧困』という)レッテルを剥がすことができた」と述べ、「人間界の奇跡だ」と自賛した。
そうした脱貧困政策の成就がいかに嘘事であるかを示す証言が次々と伝えられており、その一つが「大紀元・EPOCH TIMES」であった。
河南省淅川県に実家のある王さん(女性)は、大紀元の取材に対して「共産党が言ったことを信じてはいけない」と語っている。王さんの実家は河南省の山奥にあり、現在も生活苦が続いているという。
「私たちの村では、村民が山から出る交通費すらない。普段、野菜を作って自給自足の生活を送っていて、肉料理はほとんど口にすることがない。父は電気を使うのもためらうので、お風呂などの設備はなおさらない。もちろんインターネットも繋がっていない」
王さんの村では今もなお水道水がなく、貯水池の水を使っており、「水が溜まったら、皆バケツを使って家に運んでいる」という。「医療費を出せないから、村の人は軽い病気なら我慢する。大病にかかったら、死を待つだけだ」
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全国人民代表会議
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「コロナ禍の中、中国は厳しい感染抑制策で経済活動を再開させ、
昨年の国内総生産(GDP)は前年比2・3%増、主要国の中で
最も早い回復を遂げ」た、と自慢する李克強首相
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中国当局の脱貧困の基準は3つある。その内の一つは、年間収入が4000元(約6万4000円)を超えることであり、当局は「貧困から脱した人々の平均年収は、9000元(約14万4000円)以上に達した。残りの貧困層の平均年収は、6000元(約9万6000円)以上だ」と発表している。
我が国とは生活費のレベルが違うから単純に比較はできないが、上海市で一人暮らしをしている周さんは日常生活を暮らす際の生活費を次のように語っている。「毎月の食費は500元(約8000円)でも足りないくらいで、そのほかに、毎月の交通費は少なくとも200元(約3200円)。市中心から遠く離れたボロボロのアパートですら、毎月の賃貸料が2000元(約3万2000円)以上だ」
都市部で暮している周さんのような人にとっては、ぼろのアパートに住んで質素な1人暮しをしていても3000元(4万8000円)は必要だという。田舎の農家暮らしなら家賃もいらなければ交通費もいらないだろうが、多くの家族を抱えていることを考えると、最低でも6000元(約9万6000円)は必要となって来るようである。
しかし、貧困層の平均年収が6000元(約9万6000円)だとすると、それ以下の人々もたくさんいることになり、こうした人々が悲惨な暮らしをしていることは間違いないようである。ということは、習近平主席が声高らかに宣言した農村部に住む約1億人の貧困層
の全てが貧困から脱出したとする宣言は、まさに「えせ事」であることが分かる。
だからこそ、水道水も使えず貯水池からバケツで水を運び、軽い病なら我慢し、大病にかかったら死を待つだけとなるのだ。これが世界の覇権国家を目指す中国の実体でありながら、国防費にはなんと22兆円という大金をつぎ込み、今年も昨年比6・8%の1兆4500億円増となっている。
国防費のわずか数%でもつぎ込んだら、貧困にあえぐ多くの人々が厳しい貧困生活から救われるのに、なんともはや残念なことである。
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日々の生活に苦しむ1億の国民を抱える中、国防費に22兆円をつぎ込んでいる中国。
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