前回、コロナ禍の中、米国では記録的な嵐が南部のテキサス州やオクラホマ州から北東部に向けて進んでほぼ全土、40州が記録的な寒波と大雪に見舞われ、2億人以上が警報下に置かれていることをお伝えしたが、今回はその続編である。
上段の写真は米国最南端のメキシコに隣接するテキサス州の雪と氷に覆われた見たことのない風景である。数日前からテキサス州では平年より30度も低く、アラスカより低い−18度の超寒波と降雪に見舞われ異常事態が続いている。
中でも停電に見舞われている300万人は暖が撮れないため、夜は毛布に何重にもくるまって過ごしているようであるが、早朝の室内温度は3℃以下だというから大変である。上に掲載した赤子の寒そうな顔を見ると寒さの程が分かろうというものである。
また停電で冷蔵庫が使えないため、保管食糧が無くなって来ており、配送車の移動が難しくなっていることから食料品店の品物も品薄状態となっているようである。中には凍結した水道管が破裂し、室内が水浸しになっている家もあるようだ。
また、テキサス州の東部では寒波が暖気と接触した結果、竜巻が発生し、時速200キロを超える強風で家々はひとたまりもなく破壊。少なくとも3人が死亡し寒波による死者を合わせると死者数は25人に達しているようである。
我が国でも富山県など北陸や東北、北海道などでは大雪と寒波に見舞われているが、テキサス州の人々の遭遇しておられる厳しさとは比べ物にならないようである。我が国も同様な状況に陥った時には、沖縄の皆さんも寒さで震えあがることになりそうである。
なお、テキサス州にはサムスン電子など半導体工場が多く進出しているが、今回の寒波と停電で操業が停止状態となって企業が多く、経済への影響も出てきそうである。
現在テキサス州で発生している前代未聞の惨状は、これから先、世界中の国々が体験することになる一つの前例に過ぎないかもしれないだけに、我々も肝に銘じておきたいものである。特に冬場の暖の欠如は厳しいだけに、電化に特化しておられる方は、灯油、ガスなどいざという時のために、暖房の種類を増やしておいたほうがよさそうである。