ロシア全土で連日30度前後の酷暑日が続き、首都モスクワでは17日、過去130年の観測史上で最高となる気温35度を記録。7〜8月の平均気温は毎年20度前後のモスクワだが、今年は40度に届くとの予測が出されている。政府はすでに死者の数が120人を突破していることを受けて、17の州や共和国に非常事態宣言を発令し、被害の対応に当たっている。
19日には、レールの膨張で地下鉄が一時止まった他、モスクワ郊外の泥炭地が熱で発火し、煙がモスクワ南部や東部を覆う情景が見られた。また、今モスクワでは家やオフィスの水槽で魚類を飼うのが人気だが、水槽の水温が上がりすぎて魚が死ぬなどの被害も出ている。
世界第3位の原油確認埋蔵量を持つイラクの南部バスラでは、このところ50度を超す酷暑が続いている。フランス公共ラジオなどによると、バスラの19日の気温は54度。しかし、電気がつながるのは1日のうち6時間弱。住民は扇風機すら使えず屋上や庭で眠れない夜を過ごしているという。
こうした暑さの中、停電が頻発しており、怒った住民約3千人が19日、抗議のデモ行進をしている。デモに参加した住民は「石油はいらない。電気をよこせ」などと書かれたプラカードを掲げ、ワヒド電力相の解任を求めたり、バスラ州の評議会庁舎に石を投げるなどをして、治安部との衝突も起きている。
また、バスラに近い隣国クウェートも熱波に見舞われており、北西部の砂漠地帯で気温53度、首都クウェート市でも連日50度を超える猛暑に襲われている。
南米各地で寒波襲来、死者が発生
一方、真冬の南米各地では強い寒波が襲い、アルゼンチンやパラグアイ、ボリビアなどでは寒さによる死者が続出し、雪や強風のため、航空便に大幅な遅れが出るなど混乱している。
アルゼンチン
では、南部や中部では18日、零下14度を記録。ブエノスアイレスは16日、零下1.5度と過去10年間で最も低い温度となっている。死者の数はすでに50名近くに達しているが、その多くは
首都ブエノスアイレスのホームレス。
また、パラグアイでは、9人が低体温症で死亡。さらに3人が石炭ストーブから発生した有毒ガスを吸って死亡している。同国の農業関係機関によると、北部地域を中心に1000頭の牛が寒さのために死亡したと見られている。気象当局は、寒波と雨は今週いっぱい続くとの見通しを示している。
今日(21日)NHKのニュースではボリビアの大雪のニュースを流していたが、現地に長く住んでおられた方によると、ボリビアは高地に位置しているので、突然の雹(ひょう)には見舞われることがあるようだが、そのような大雪が降ることはめったにないようだ。
ペルーでも、東部のクスコやボリビア国境沿いのプーノなどの高地に寒波の影響が広がっているようである。今、私が学校建設を進めているアンデス山中の標高4000―5000メートルの高地には、アルパカ300万頭、ラマ100万頭、ビクーニャ14万頭、グ
アナコ4000頭が生息しているといわれているが、これらの動物への被害は、村人の暮らしを直撃することになるだけに、非常に心配である。
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20日、パラグアイの首都アスンシオンの路上で寒さをしのぐ女性
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6月中旬、南アフリカの東ケープ州(Eastern Cape)では、厳しい冬の寒さによって、
この夏に産まれたばかりの小さなアフリカペンギン(日本ではケープペンギンと呼ばれている)が約500羽死亡
したと、香港「大公報」が報じている。
国立公園当局の報道官は南ア通信(SAPA)に対し、「生息地バード島(Bird Island)を襲った寒さと雨によって、まだ産毛しか生えていない生後数週間から
2か月のペンギンの子どもが死亡し、1000組を超えていた同地域に生息するペンギンのつがいの数が、異常気象により700組にまで減少している
ようだ」と語っている。
どうして寒さに強いペンギンが凍死するのか不思議に思う方もいるかもしれないが、実は、南アフリカのペンギンと南極のペンギンでは種類が違い、アフリカペンギンは南アフリカの水域で暮らしているので、南極のペンギンのように寒さに強くはないからである。
日本のマスコミでは大きく取り上げられずにいるが、ワールドカップに湧いた南アフリカでは、こうした異常寒波が発生しているのである。