7人に1人が貧困、史上最多の4370万人に
先日、国連食糧農業機構が発表した、栄養不足の状態にある飢餓人口が世界で9億2500万人に達し、栄養不足によって子供たちが6秒に1人の割合で死んでいるという厳しい状況を見て、暗い気持ちに陥っていた矢先、今度は世界の覇権国家
として君臨してきたアメリカにおける貧困者数の実体を知って、再び心が痛むところとなった。
アメリカ国勢調査局によると、2009年のアメリカの貧困層人口は前年より400万人近く増え、51年前の調査開始以来最多の4370万人に達し、
総人口に占める割合を表す貧困率は14.3%、なんと7人に1人が貧困状態にあることが明らかになった。
また、健康保険に加入していない国民も調査史上初めて5000万人を突破しており、これらの数値は長引く不況の影響により、2010年はさらに悪化すると指摘する専門家
も少なくないようだ。
専門家の意見を聞かずとも、私がHPでお知らせしている最近の経済の実体を考えれば、一段と悪化する可能性が高いことが分かるはずだ。
貧困率を人種別にみると、黒人およびヒスパニック系は、白人およびアジア系の約2倍で、約4分の1が貧困状態になっている。中でも、子どもや若年層の困窮が目立ち、18歳未満人口の5人に1人、1550万人が貧困状態に置かれている。
アメリカにおける統計上の貧困ラインは毎年変わるようだが、09年は、独身者の場合で年収1万956ドル(約93万円)、4人家族で年収2万2000ドル(約190万円)未満の世帯を貧困層と定義している。
このデーターを見て多くの人が、そこまでひどい状況に置かれているのかと驚かれたに違いない。一人者の年収が93万円ということは、月に8万円以下と言うことであるから相当厳しい状況にあることは間違いない。
まさに生きていくのが精一杯のレベルである。そうした人が何と7人に一人に達しながら、騒ぎが起きていないのは、その多くが黒人やヒスパニックに偏っているからではないだろうか。
もしも、白人系住民の貧困率がここまで達していたら、暴動が起きてもおかしくない。しかし、これから先、本格的な経済崩壊が始まり、企業倒産や失業者が一気に増加する事態が到来することになったら、白人層においても同様な貧困率にならないとは限らない。
アメリカ政府がこのところ、あからさまな【ドル安政策】を打ち出し、景気の回復に本腰を入れだしているのは、そうした背景があるからに他ならない。ガ
イトナー財務長官が国会の場で、中国通貨の切り下げ率の低さに言及したり、議員の中から日本政府の円高修正のための市場介入までを批判する意見が出てきているのを見ていると、なりふり構わぬ保護貿易主義が始まり出したことは明らかである。
日本政府もふんどしを締めて強い姿勢で外交政策を展開していかないと、中国からは尖閣諸島問題で脅され、アメリカや欧米諸国からは国策としての当然の市場介入にまでクレームをつけられてしまうことになってしまう。外務大臣は相当腹の据わった人間でないと務まりそうもない。
前原大臣で大丈夫だろうか?
少々心配である。
NYで竜巻? 突風と豪雨が襲う
昨日、BSニュースを見ていたら、16日ニューヨークを襲った突発的な激しい嵐と竜巻状の雲の発生によって住宅の屋根が飛ばされたり、大木が倒れて車を押しつぶされている状況が映り出されていた。まるでその姿は風速50級の台風が通過した後のようであった。
この状況を見る限り、暴風雨というより、竜巻が発生したと考えた方がよさそうである。
ここ数年、アメリカでは竜巻(トルネード)がこれまでに発生したことのない地域でも発生し、多くの被害をもたらし始めてきていることは知っていたが、まさか
大都市ニューヨークで発生するようになるとは驚きである。
確か2007年の8月にも同じような被害が起きていたような気がするので
、初めてのことではなさそうだが、夕食の準備をしている最中に、突然ラジオからは「地下に入るか、窓から離れたところに避難をー」と竜巻警報が出されたいうことなので、市民の方はさぞや驚かれたに
違いない。
被害はブルックリンやクイーンズ地区と限定的で、人身の被害が少なかったのは幸いであった。
ここ数年発生し始めているとは言え、歴史的にはニューヨークの竜巻は極めて希なことであることを考えると、これから先、どこに、どのような自然災害が襲ってくるか見当がつかなくなってきた感がする。